いわゆる回転力のあるヨーヨーは慣性モーメントが大きい

つまり
「回りにくいけど、一度回れば今度は止まりにくい」
ということです。

ところで、回転方向以外の慣性モーメントはどうなるでしょう?
つまりは傾く方向ですね。
ヨーヨー事体は基本的に円筒や円板に近いので
傾き方向はどの方向でも慣性モーメントは同じになります。
設計時の図面の軸にもよりますけど、x、y、zの内回転方向以外は同じ数値になります。
ということで傾きにくいヨーヨーをとなった時

「あらゆる方向に慣性モーメントを大きくすれば良い」

となります。
そうすれば、傾きにくいは回りにくいと同じになります。

ヨーヨーではないですけど
円板の慣性モーメントの式が

I=1/2mr^2
で質量×半径の2乗に係数が1/2なんですけど

もしこの円板を中心軸以外の方向に

こんな感じに回すとすると (円板なので上も右も同じ意味になります)

I=1/4mr^2
といった具合に係数が1/4になるだけで後は同じです。

となると、設計段階でとにかく慣性モーメントを上げておけば傾き方向の慣性モーメントも
大きくなるので傾きにくくなるはずなのですけど…
そうもいかないのが難し所ですね。
縦横比とかその辺りも関わってきますのでここからは次回へ。

テストもひと段落して色々ネタを更新したいのですが
そんなタイミングでトリックモーションに新色がでました!(もりりんさんありがとうございます&いくつ作ったんですかw)

ってことで、みなさん気づいているかと思いますが
トリックモーション
敢えて渋めのカラーリングで統一しております。





と初期にあった青、ずんこver
もですが、今まであるヨーヨーと違って、ちょっと落ち着いた色になってます。

ここでちょっと面白いのが実は

染料自体は今までのさほど変わりません。

何が違うのかと言いますと

アルミの熱処理の違いです。

トリックモーションは、材料(7075A)の強度、剛性を上げるために
更に熱処理を加えてから加工されています(詳しい内容企業秘密らしいので)
金属は固くしたらした分だけ加工は難しくなりますが
削れさえすれば、固い分だけ細かく加工できます。
つまり精度を上げられるのです。

元々熱処理の有無による色の変化をサンプルでいただいていまして
見た瞬間迷わず
「熱処理いれよう」
となりました。

折角、日本人が日本で作るならこの色合いはらしくていいなとあっさり決定。
そしてもちろん狙うのは熱処理による更なる高精度化。
フルメタルならここまでは要求しなくても良いのでしょうけど
バイメタル、部品点数が増えるということは接合面が増え
それだけ制作に気を遣う部分が増えるということです。
それをクリアするための下準備としてこういった処理は非常に重要です。

高精度化と、この色合いの二つで見た目にもトリックモーションの個性が出ているかと思います。

特に赤銅は一目ぼれしてプロトにも着色してもらったぐらい気に入ってます。
そしたら製品版はたくさんのカラーがwwどれも素敵ですけど全部揃えたら破産します…
こんな感じで、色にもちゃんと意味を持たせてた上でわがまま言ってかなり追い込んで今回は作っていただきました。

もちろんRAWでも熱処理入ってますのでご安心下さい。
材料力が…じゃなく材料科学、大分苦手でしたけどこうやって色々やってみると面白いものですw

制作、販売してくださいました
ヨーヨースタジオリャマ様もHPはこちら
http://llama.thebase.in/

http://yoyostudiollama.com/
てことでヨーヨー力学プロダクト第二弾‼
今度は青森発トンデモヨーヨー作りまくってるヨーヨースタジオリャマ様とのコラボ企画です!



こんな感じのミッドシップ風バイメタル

トリックモーション

です!

正直、リャマさんの紹介文で完結しているので書くことあんまりないのですが(企業秘密要素ありすぎるのも…)

ちょっと力学っぽい話でも

今回、ちょっと試した部分がエッジです。


ぱっと見

エッジちょい高い?と見えますが
エッジ自体はドが付くぐらいのローエッジです。
ただそれだと幅広機種って投げ出しのブレが出やすいんです(ファランクスはラウンド形状でこれをクリアしてました)
リジェネなんかでミスるとブルンブルンしながら飛んできます。
そこでエッジ周りの特性だけ、ラウンド形状に近くなるなるような曲率で面取りしてます。
これが写真じゃ伝わらないので生でマジマジと見てください。

そしてミッドシップ風リム
アウターリムにウイングつけたイメージなので、ミッドシップ的な特性はあまり狙っておらず
アンダーサイズの慣性モーメントを補いつつ、重量配分を外周、内側に来るよう設計してます。
形状が特殊過ぎて、治具作るって言われた時は

モリリンさんごめんなさい!ってなってましたw

おかげで、幅広機種の感覚が見事行方不明です。


全体の形状ですが
ベースはHプロファイルです。
ほとんどリムでバランスされているのですが、使える部分は全部使おうということで
もっと内側に重量を、もっと外周にも、そしてストリングスの接触量は最小限にといった具合で
Hプロファイルの段差部分にインバースで肉盛りした感じになっています。
安直な方法でしたが段差が全く無くなるぐらいになるまでやるとかなり効きますね。
コントロールエッジの位置は変えずにアンダーサイズで十分なスリープ力を確保する。
そしてアンダーサイズ幅広で横長になるバランスをいかに使いやすいバランスに持っていくか。
その結果がトリックモーションです。

ちなみにプロトですが…ちょっと重めに作ってたんですけど、回りすぎてもっさり感全開になるぐらいまでの慣性モーメントを発揮してちょっと引くぐらいになりました。
そのスリープ力はそのままに、扱いやすい重量に修正し製品化。
これ幅広?と思えるちょっとびっくりな操作感を体験してくださればと思います。

この場を借りてヨーヨースタジオリャマ様にお礼申し上げます。
リムの処理からバーコード打ち込むとか無茶なネタに嫌な顔せず乗って頂き本当にありがとうございます。

http://yoyostudiollama.com/

もうひとつちなみに、ロゴデザインは某大学で建築デザインやってる身内にお願いしました。
この場を借りて、ありがとうございます!



前回2回の小難しい計算でざっくり重さと慣性モーメントの動きへの影響が見えてきました。
さてここで気になるのが、よくあるMODsであるチタンアクセル化です。
ファランクスでも交換用に付属しておりました。

よくチタンアクセルで回るようになるって言いますが、そもそも影響しない部分の変化で変わるのはなぜでしょう。
変わるのは、その34.35でお話していた、重量バランスの外周化です。
軽く代わりにほんの少しバランスが外周よりになるということで
直径要素の影響は結構変わるはずです。
さて実際どのくらい変わるでしょう。
M4×8のアクセルが、ステンで0.48g チタンが0.29g
というと実際0.19gしか変わりません。
ところが
前にも計算例にした重量バランスが70%ほどで66gで直径56㎜だと
66g×19.6×19.6=25354.56

でこれが0.19g軽くなってバランスが変わらないと
65.81g×19.6×19.6=25281.5696

なんですが、もしバランスが0.03%ぐらい変わると?(めんどくさいので単純に重量比そのまま)
65.81×19.684×19.684=25498.7331234
たったこれだけでも軽くなった上に慣性モーメントが増えました。実際どの程度変われば慣性モーメントが増加するのか考えます。
最初の式と同じ慣性モーメントをアクセル交換後の重量を出そうとして直径変化を求めると
70.001…%となり
0.001%増えれば十分となります。

もしこれが軽いヨーヨーだとして62gにしてみます。
62g×19.6×19.6=23817.92

これをチタンアクセルにして0.19g軽くなるとします。
交換時にどの程度バランスが外周に行けば慣性モーメントがもとの状態以上になるか計算すると
これも0.001%の変化で十分増加します。

実重量の比率は
65.81/66=0.99712121212

61.81/62=0.99693548387
となり本体重量が軽いほどアクセルの影響を受けやすくなります。(ホントにわずかな差ですけど)

そこでもう一つ、前回のトリック中の操作の話になるとどうでしょう。
仮に重量バランスの変化があってほぼヨーヨー自体の慣性モーメントが同じとして
また指から10cm(100㎜)とすると
軽くなった分の差が0.19g
0.19×100㎜×100㎜=1900
これだけ変われば体感できるかと思います。
動きは軽くなり、回ってる感じが強くなるのが分かる。
もっと詰めた計算が必要そうですけど、概念的には十分分かるなというお話でした。

次回はこれ書いてる間に発表があったアレの話でも…




ってことでちょっとめんどくさいというか高校物理…下手すりゃ大学レベルかもしれない所の話も交えないと説明できないような内容に挑戦です。

良く回るヨーヨーに限って
「なんかもさっとする」
ってないですか?
あると思った人もいらっしゃるかと思います。
それをちょっとおっかけます。

まずはジャイロ効果。
wikiによると
・外部からモーメントが加わっていないかぎり自転軸の方向を保つ性質
・自転の角運動量が大きいほど姿勢を変えにくい性質
・外部から自転軸を回すようにモーメントが加えられるとき、加えられているモーメントの軸及 び自転軸と直交する軸について振れ回り運動をする性質(歳差運動)
もう証明とかは興味がある人が読んでみてください。

ヨーヨーにとって大事なのは上二つです。
ここに角運動量というものがちょっと出てきます。

この角運動量、二つの式で表せるのですが
その一つに
角運動量=慣性モーメント×角速度
があります。
角速度は距離の代わりに一定時間にどれだけ角度が変化するかなので
回転数だと思ってください。

で角運動量は、そのヨーヨーが持っている、その回っている瞬間のスリープ力そのものと思ってください。

ヨーヨー力学の最初の方でエネルギーの観点スリープ力を説明しましたが
角運動量で考えても同じになります。きちんと保存則がありますが、感覚的には

投げる力が同じなら、
慣性モーメントが大きいと回転数は少なく
慣性モーメントが小さいと回転数が大きくなるので
結局ヨーヨーに与える角運動量が同じになるって話です。

で角運動量が大きい、この場合長時間維持されているとどうなるか
まぁ基本投げ出しだと慣性モーメント違っても角運動量一定なのであんまり差は無いでしょうけど、角運動量が大きく維持されると傾きにくい=傾きが発生する動きに抵抗感が強いってことになるので一つの要因になるかも?ぐらいには思います。

お次は、慣性モーメントにもっと焦点を当てます。








形状についてはちょっと先おくりにしてますので
今回は直径のお話。
図じゃなくて計算メインの概念なので寝ないでおつきあいください。

最近、よく見るヨーヨー、特に選手の使っているヨーヨーのサイズはほぼフルサイズ~オーバーサイズです。つまりは56㎜以上のヨーヨーですね。

ちょうど、自分がヨーヨーを始めたというかちょっと動画を見たころがフルサイズのメジャー化し始めた頃のような気がします。(2008~9ぐらい旧スーパースターやスレイプニル、ジェネシスといったとこです)

さてこれをちょっと掘り下げます。
この辺りが出現、つまりフルメタル機種が台頭するまでは実の所フルサイズ機種ってそんなに無い状況ではあったみたいです。(07-888なんかもありますし、G5といったフルサイズもすでにありました)
というより、金リム機種全盛期では直径よりもリムの材料等の方が慣性モーメントに影響しやすいのもあり、ミニモ2とかアンダーサイズ機種がメインになっても問題なかったような気がします
(あくまで自分の推測です)
ところが金リムではなくフルメタルになると、以前お話した通り、形状=重量配分になってしまいます。部品を減らすことで精度を上げることはできますが、性能面での自由度が減ってしまいます。
はっきり言って、慣性モーメントだけで見れば同じサイズなら金リム機種有利です。

実際に慣性モーメント、スリープ力の計算は
こうなります。ヨーヨーは回転体として円筒だったり円板に見立てると
慣性モーメントI=(形状による係数)×質量(kg)×半径(m)×半径(m)
となります。
となると大事な部分はいわゆる重さと半径、まぁ会話で出るのは直径になります。
この半径、直径はよく言う重心(毎回言いますが本当はおかしい)、重量配分を見た時の中心からの距離と思ってください。

重さはとにかく重ければ回るのは分かりますが、径に注目してください。
2回かけるということは2乗ってことですから、1g重くするより、重量配分を1㎜外周に寄せる方が慣性モーメントは変わります。

例えば、68gで直径50㎜の機種と66gで直径56㎜の機種を比べてみます。
とはいえ、完全に外周に重量が寄ってる機種は無いですから概ね直径の70%ぐらいの位置に
重量配分されているとします。
形状の影響(係数)は無視して(同じになる形状として)
アンダーサイズは
68g×17.5×17.5=20825
フルサイズは
66g×19.6×19.6=25354.56

てことで直径が6㎜違えば5000ぐらい差が付きます。

さてもう一つ、金リム機種で重量配分を考えると直径の70%なんかではなく(フルメタルで70%だとそこそこ回る方な気もしますが)直径の80~85%ぐらいになったりします。
80%としてもう一度アンダーサイズを計算すると
68g×20×20=27200

となってフルメタルのフルサイズより慣性モーメントが大きくなる可能性が出てきます。

数値で見てもフルメタルが主役になる、金リムから乗り換えさせるスリープ力を持たせようとするとフルサイズ化は当然の流れに感じます。

そして今は、メタルも金リム、バイメタルの時代になりました。
強度、剛性の高さや、切削による設計自由度の高さから重量配分の自由度も増し、精度も維持できてしまいます。

ここでもう一回計算、
フルサイズでもし金リムの重量配分なら…
66g×22.4×22.4=33116.16

もう、十分過ぎます。(多分ステルスオーガなんかはこれを狙ってるんでしょう)

となると、操作スピードを上げたいみたいな流れで軽量化といった流れを思うと
62g×22.4×22.4=31109.12
勝手に予測して計算してますが、ドラウプニル当たりの重量でも十分です。

フルメタルと同じ程度の慣性モーメントで良いとするなら
計算すると
50~51gまで軽量化出来るみたいです。

レオスナイパーの新入荷分がさらに軽い
59.6gのが出ましたけどインナーリムってことを差し引いても十分回るというのが分かります。

そして2014JNではYYRのトライアド。
また金リムにという印象もと思いますが、軸回りの改善を踏まえると比重面で有利な樹脂とリムの組み合わせは慣性モーメント面では実は非常にメリットになることも伺えます。
もう十分進化したといえるバインド機種もまだまだ先がありそうで楽しみです。

ちょっと補足。
アンダーサイズのバイメタルはどこまで軽くできるのか?
フルサイズフルメタルを基準にすると
63~64gでほぼ同じくらいなので、若干の形状差を加味しても
64~65gまでならスリープ力十分なものが作れるんじゃないでしょうか?



いい加減インバースの話は無いのと怒られそうですが。
このお話をする前にこれに絡んだちょっとヤバい企画が動いています。
それまでは更新を今しばらくお待ちくださいませm(_ _ )m

ホントにヤバいですw
連続二回もですがこの
「ヨーヨー力学」
をテーマに色々とお話させていただきました。

基本的な、形状、エッジについて自分なりの考えを色々とお話しましたが
いかがでしたでしょうか。
まだまだ話足りない部分もありますし、お話の中では解りにくい(話し方が悪いだけですが…)
部分もあったかと思いますので少し補足を。

・形状編
基本的にローエッジは登場するまでは、回転力(慣性モーメント)が優先されがちなため
ラウンド形状が主体。スピードプレイ向けがストレート形状ということが多かった。

ローエッジ化に伴い、ステップ形状、インバース形状が登場、よりスリープロス、スリープの粘りを意識した機種が増加。

なによりローエッジ化に合わせて、形状による影響が非常に大きくなった。

・エッジ編
ループ機種の段階から、エッジの形状なので、動きが変わることが分ってはいた。

エッジが高い頃は、エッジそのものがコントロールエッジの役目を果たしていた。

ローエッジ機種が登場してから、エッジとレスポンスの間をウォールと呼び、その間が高いものをハイウォールなんて言うように。

ウォールが高いと投げ出しでストリングスが触りブレを抑えることが可能。
ローエッジ、ローウォールほど、投げ出し時のブレが出やすくなる。

ローエッジからさらに、C面取り、バンプ形状と言ったエッジ周囲の細かい設定により
様々な特性が出せるように。

ザックリですがこんなところです。

また、詳しくブログに書いていく予定ですので、今後ともよろしくお願いします。



ラウンドに続き、ストレート形状です。
この場合、まずはエッジの高さそのものが影響しやすくなります。
単純に高ければ高いほど触れやすくなります。(上図赤線)

角度に関しては重量配分等の影響が大きいこともあり、そちらが優先されやすくなります。
問題は大きくエッジ角をとった場合、(約55~60°)エッジが非常に鋭角(90-エッジ角)になります。また大きくするほどステップ形状にしてもスリープ重視の設定は難しくなる傾向があります。(上図青線)
この場合ストリングスが食い込むこともあるため、突然、操作感が変化したり急激なスリープロスを
発生させることにもなります。


ここまで極端な角度の機種はほとんどありませんが、最近のステップ形状はどんどん、エッジ角を大きくする傾向があるようなので、(ホリゾンタルやアクセル方向に動きが伴うトリックでシェイプ面を触れさせないためだと考えられます)エッジの取り方等、一工夫が要求される可能性が出てきました。バンプや、C面取り等色々ありますが、それはまたの機会に。
シュトルムパンツァー様のあの薄い本の後書きを眺めていてちょっと思うことがありました。
復帰組の私ですが、ざっくりとヨーヨーの変革というか形状の変化みたいなのを分かる範囲で並べてみようと思います。(今回かなりいい加減なので間違ってたらごめんなさい)

最初はもちろんバタフライ。ホーイルズのようなラウンド、ステレイのようなストレート
スタートこの二つ、ほぼ日本では同時と言っても良いでしょう。

続いて出てくるのがHプロファイル、そして、色々話題に上がることもありましたが、某選手がプロトで最初に採用したというインバースラウンド、どちらもメタル機種とスリープ力を向上させる技術、ノウハウが蓄積されて可能になった形状です。(多分どちらも2007年ぐらい?)

概ねこの間に金リム機種でヨーヨージャムが席巻するのですが、それがあれ?に一気様変わりとなるのが
2007年以降です。
一つは、メタル機種の高性能化、二つ目がローエッジ機種の出現です。
個人的にはこのブレイクスルーになったのは07-888じゃないかと思います。
ラウンド形状なのですがカーブのスタートがかなりエッジ寄りになっているためほぼローエッジと言っていいでしょう。後は、グラインドマシーン2もですね。フルサイズでローエッジの基礎は恐らくこれじゃないかと思います。すぐこの辺りを取り入れてジャムがすぐフェノムでも作ってたら大分状況は変わってたのではと思いますが、この後、メタルでローエッジな機種がどんどん出てきます。
スターダスト、スターゲイザー、スレイプニルと2008~2009年とヨーヨーリクリエーションが
ステップ形状のヨーヨーを、そしてターニングポイントもほぼ同時期に構成のヨーヨーを販売し始めます。

こんな言い方もなんですが、メタル機種になって金型等がいらない分(この金型がめっちゃ高い)、小ロットで色々と作れるようになりました。しかも日本の町工場はとんでもない職人さんがたくさんいらっしゃいますので
安く(それでも一個○万円単位)製造しやすくなりました。
それでも、プラ機種でとんでもない数作らないと採算が取れないって訳では無いので、
より早くよりニーズに合ったものが設計しやすくなりました。
ちなみに、プラでも、POM、デルリンの削り出しは金型では無いのでフルメタルと同じ感じで製作できます。

はっきり言いますが、回転力だけなら、ジャムの金リムがトップクラスになります。(ちゃんと作ってれば)

さて、そんな感じのフルメタル戦国時代にポンッと出てきたバイメタル。
バイメタルと言えば、要するに金リムなので、ヨーヨージャムのノウハウが生きてくるはずなのに
全く注目されない。というか、フルメタル&回転力至上主義みたいな時期にミッドシップリムで登場するのであれ?っとなっちゃう訳です。
要するにユーザーにはピンとこなかったのでしょう。さらにジャムクオリティなんて酷評もありました。(フェノムが確か2010年頃です)
国内メーカーの高精度ヨーヨーが当たり前になってきて、この「ブレ」というものにユーザーが敏感になっているのもあります。(かくいう自分もでした)

ちょっと遅れてC3ヨーヨーデザインより、バーサーカーが発売。
アルミリムとはいえ回転力重視のバイメタルに少し注目されました。
その後ヨーヨーラボラトリのレイヴン、シュトルムパンツァーのステルスオーガと続きその間に
YYRからドラウプニル、TPのアイソトープ等国産ハイエンドな機種が出てくるのですが、
バイメタルでどのメーカーもぶち当たるのが「ブレ」なんです。

「ジャムはぶれる」なんて良く言ってましたが
厳密には
「金リムはぶれやすい」
が正解です。
そう思うと、金リムを実用レベルでブレなくしていた、ジャムはすごいのかもしれません。

技術的な話をすれば、本当は部品点数を減らしたい。コストでも強度でも不良品を減らすにも。
その意味でもフルメタルは最適でした。そしてフルメタルでも十分なスリープ力を得られる設計
(ローエッジ、ステップ形状)が定着して一気にブレに対する要求も上がって金リムが廃れちゃったのですが

そこから更に突き詰めたいということから、各メーカーバイメタルに踏み込んだと思います。
「ブレ」を何とかするという壁にどこもぶち当たり乗り越えていきます。
そして出てきたのが
「軽量、高スリープ力」スタイル、レオスナイパー、ドラウプニル
「とにかくロングスリープ」レーザー、バーサーカー、ステルスオーガ
「重量配分の更なるコントロール」ミッドシップリム
一度は廃ったミッドシップリムを各メーカーが始めたらどうなるか気になるところです。
まだこのコンセプトで出てきたバイメタルがジャム以外無さそうなので
実際、最近の傾向で、CLYWのダブルリムや、幅広機種が増えた事を思うと、
一時の回転力至上な動きは収まってきたように感じ、よりコントロール性を要求されているようにも感じます。今がミッドシップリムが復活するチャンスなのかもしれません。

こんな感じで今に至るのですが、これからどのような進化して行くのでしょうか。
のんびり考察しつつ追いかけてみたいと思います。

ちなみに、技術的にまとめると

フルメタル:金型に比べれば少量生産がやりやすい、部品数が少ない(本体×2、パッド、アクセル、ベアリング)ので精度が上げやすい

バイメタル、金リム:リムによって設計の幅が大きく広がる、接合面が増え、部品数が増えるため
精度を上げるのが難しい、価格が上がる

プラ金型整形:金型が高いが、一度作れば大量生産が可能 作った分だけ安く出来る。

こんな感じで見ておくと分り易いと思います。