これについて説明していきましょう。
分岐・枝の少ないメリットとはこういうことになります。
シャントの本幹に血流が集中できるため発達しやすい
これまで分岐・枝の存在が、ソアサムや逆流などを引き起こすことがある、というお話をしてきました。
この辺りです。
本幹が荒廃してくると、分岐へ血流が逃げてしまい、逆流した血流が悪さをしてしまうことが多くなる、ということです。
分岐がないのは良いことのようですが、問題もあります。
つまりはこういうことです
一本の発達した道のシャントである
↓
同じ血管の同じ部位に針を刺し続けがち
↓
血管の荒廃がおこると、わき道・逃げ道がないので大渋滞になりやすい
本幹が狭くなってきたときに、分岐に逃げることで渋滞を緩和している側面もある、ということです。
分岐が悪い訳ではなく、本幹が狭くなっているのを放置しておくことが良くない!
というわけです。
シャントの真実を一つお話しします。
分岐が発達してくるということは、本幹が狭窄していることを示している
分岐・枝も、本幹の血流低下を示すセンサーとしてとらえることができるという訳です。
では、そういった視点であらためて上肘で作成された、橈側皮静脈に流れるパターンのシャントをみてみると・・・

このように完全に一本道であることが多いのがわかりますね。
次回は、この上腕の橈側皮静脈の終点、尺側皮静脈との合流部についてお話ししていきます。