シャントって何? 第3章 手術部分別のシャントの特徴15 肘のシャント | 日々是シャント 〜群馬のシャント専門医のブログ〜

日々是シャント 〜群馬のシャント専門医のブログ〜

透析用バスキュラーアクセス(いわゆるシャント)専門医が日々の透析からシャント、アクセスそして腎移植までの相談内容を分かりやすく?詳しく紹介していくブログです。

昨日の ”シャントは高速道路” で、良いシャントの定義をかいてみました。

太くて、            (穿刺しやすい)
真っ直ぐな血管で、       (穿刺しやすい、穿刺範囲が広い)
血流がスムースで圧がかからず、 (閉塞しない、止血が容易)
心臓まで一直線         (静脈高血圧やソアサム症状がない)


でしたね。

そのことを念頭に、この方のシャントを見ていきましょう。
$日々是シャント                        ~群馬のシャント専門医のブログ~

肘で作成された、橈側皮静脈に流れるパターンのシャントの特徴を一つ一つ解説していきます。

1 穿刺範囲を長くとれる(やせ気味の方は特に)

みてのとおりです。
上腕の橈側皮静脈は、真っ直ぐ走行することが多いです。

やせていれば橈側皮静脈は、肩口までしっかり確認することができます。

$日々是シャント                        ~群馬のシャント専門医のブログ~



2 シャント本幹しか発達せず、分岐がほとんど存在しない

こちらもご覧のとおり、本幹は発達しているのですが、分枝があまりありません。
いいことでもありますが、あまり良くないこともあります。


3 肩のところでもう一方の太い静脈(尺側皮静脈)と合流するが、ここに狭窄が起こりやすい


次回、2と3、ここらへんを詳しく説明していきます。