人工血管て何? その22 移植後の腫脹あれこれ | 日々是シャント 〜群馬のシャント専門医のブログ〜

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今回も 人工血管手術後のむくみがなかなか引かない の続きです。

理由その2.静脈高血圧になっている

人工血管を移植する場合、術前にある程度の検査を行います。


・・・行いますが、

すべての血管の状態、とくに静脈の状態を評価できているわけではありません!

術前に重点的に調べるのは、吻合部(血管と人工血管をつなぐところ)あたりの血管、とくに静脈です。これは超音波検査装置、つまりエコーがあればある程度簡単にベッドサイドでもわかります。
(もちろん行っていない施設もあるでしょう)

ただし、エコーでは、
たとえば腕の静脈が、心臓に帰る血管走行すべてを確認できるわけではありません。

途中で細いところがある場合、そこを起点として静脈高血圧となってしまうことがあります。

以前に特集した内容ですので、覚えていらっしゃるでしょうか。

こちらから記事にリンクします


手術後しばらくしてから血管が狭くなってしまうことが多いのですが、早期または最初からなってしまう方もいらっしゃいます。

これを完全に無くすためには、全例で造影CT、血管造影などを行う必要があります。それほど患者様に負担のかかる検査ではありません。
ただし、外来初診してその日に検査、手術という訳にはいかなくなってしまいます・・・難しいところです。

次回はこの検査について説明します。