では、人工血管が自分の組織になじむことで、
何が発生するかについて説明していきましょう。
①止血効果が生まれる
ePTFE製人工血管の壁そのものには、止血効果がないことをお話しました。
しかしこの壁は
周辺の組織と強く癒着することで、組織を巻き込んで針穴をふさぎ、止血する
ことができるようになります。
たとえば包丁で指を切ってしまったとしても、皆さん傷はくっつきますよね!
人工物だけでは傷をふさぐことができないので、自分の組織の力を借りて、針穴をふさいでいるわけです
逆に言えば、からだになじんだころにようやく人工血管を透析で使用、つまり穿刺できるようになります。
この体になじむ期間は諸説あります。
製品によっては体になじみやすいよう工夫されているもの、ePTFEの素材の織り込み方を工夫することで壁そのものの止血効果を高めているものなど、様々あります。一応ここでは、
基本的に2週間かかる
と考えてください。