先日募集させていただいた、シャントよくある質問Q&Aについて今日は進めていきます。
皆様多数のご質問ありがとうございました!!
ではまずアイビーさんからの質問です。
Q1 シャントの平均寿命はどれくらいですか?
A1 平均寿命…と言われるとお答えしにくいですね…
人それぞれ、としか答えられません(T_T)
ざっと考えられる因子を挙げてみても…
シャントを作る人間の上手い、下手
お手入れ(PTA)をする、しない
無理してシャントを作成する、それとも無理せず人工血管を最初から作成する
そもそもシャントが作成できない
無理して利き手には作らない
穿刺が上手い施設に在籍している、無茶刺しする施設に在籍している
キリがありません(>_<)
もしかしたらシャントの寿命を他人と比較するのはナンセンスなのかもしれませんね。
上手な手術でシャントを作り、上手な穿刺と管理で毎日を過ごし、上手いPTAでお手入れをする
これだけでシャントの寿命はまったく異なります。
これでは身も蓋もないので…
手術をおこなっている施設ごとにシャント成績の報告をしているところもあります。成績のいいところで、PTAなどを併用して3年間使用出来る確率が60%前後でしょうか。
ただ、これは肘であったり前腕であったり尺側であったりと、作成場所の影響が出やすいようです。
あくまで目安、です。実際はここまで良くない印象もあります。
ではまたアイビーさんからの質問です。
Q2 シャントと穿刺部との距離は、遠い方がいいとか、近い方がいいとかありますか?
A2 これはシャント吻合部と穿刺部をどのくらい離したほうがいいか、という質問ですよね?
できれば離れているほうがいいです。
理由はいろいろあります。
①穿刺するところは一番感染しやすい。その場合吻合部が感染すると大きなトラブルになりやすいため。
②穿刺したところが漏れると血腫ができる。これが吻合部に近いとこれを押しつぶしてしまって、シャントの閉塞をきたすことがある。
③シャント吻合部近くは、一番血管の狭窄が起こりやすい。ただでさえ起こりやすいところに、穿刺で血管外からも刺激が与えられると、血管の荒廃がさらに進みやすい。
などなどいえばキリがありません。
ある程度は離したほうがいいでしょう。
でも、シャント吻合部近くの血管しか刺せないのであれば、使用しないとシャントの存在意義から無くなってしまうので、無理してでも使用するしかないでしょう。
今日の最後はまたまたアイビーさんからの質問。
Q3 (同一部位への穿刺を続けるとコブができる、という記事を見て)在宅透析をするにあたって、毎回同じボタンホールに刺す用の針になったんですが、その場合、同じようにこぶができやすくなるということでしょうか?
A3 ボタンホールの場合の同一部位穿刺、は全く意味が異なります。
ボタンホールはミリ単位で同じ血管の穴に穿刺針をいれいていく(ダルニードルというダルで特殊な針です)穿刺法ですので、従来の穿刺とは異なります。
ボタンホール部分の若干の拡張などは出てくるのでしょうが、コブのようになることはありません。
…次回に続きます!