では盗血症候群の治療について説明していきます。
最初に、症状の強さについてお話しておきますと、
盗血症候群の治療の絶対適応として
血流障害による皮膚変色、壊死などの兆候がある場合
すぐに対処が必要と言われています。
が、
虚血の痛みは本当に辛いものですので、
わたしは基本的に
痛みが強い場合には何らかの治療を行うべき
と考えています。
まず盗血症状の原因が
①シャント血流過剰によるものか
②動脈硬化によるものか
③上記二つの合併なのか
を整理しておきます。
最初の治療として、
抗血小板薬、抗凝固薬の投与
炭酸泉浴など
動脈のPTA
などといった保存的治療もありますが、効果は限定的な印象です。
やはり最終的には
シャント・グラフトの閉鎖
または
動脈側の縫縮
(シャントの流入口の首を、シャントがつまらない程度に絞める)
を決断しなくてはいけないことが多いです。
縫縮は、ラージシャント、つまりシャント血流過大の場合に限定的な印象で、さらに手技的にも難しいです。
つまり、殆どの症例でシャントを潰すことを考えなくてはなりません。
この場合、むしろ
大事なのは、今のシャントの次に
新しくアクセスをつくれるかどうかです。