シャントは高速道路
を再開したいと思います。
まずは正常なシャントと高速道路の関係から復習。

動脈は下道(国道とか)
吻合部はインターチェンジ
シャント本幹は高速道路
目的地である心臓(右心系)は練馬出口
高速道路に車がよどみなく、適切な量が流れている状態が良いシャント。
でしたね!
では、この高速道路はどのように考えたらいいでしょうか?

下道(国道)の交通量がもともと少ない
インターチェンジは普通
高速道路自体に問題はない
…が、下道の交通量が少ないため高速道路に流入してくる交通量も少ない
動脈硬化などで血流の低下した動脈に、良好な静脈で通常の内シャントを吻合した状態
です。
特徴として
シャント血流が弱い 脱血不良など
シャント音は弱めだが連続音
高音のことも低音のこともある
(意外と長持ちする?ことがある)
盗血症候群などを合併しやすい
あと、重要な症状が、
シャント流量が少ない
↓
駆血してもシャント血管の張りが弱い
↓
穿刺で失敗しやすい
といったところでしょうか。
交通量が少ない…シャント音の音量は弱い
走っている車のスピードは早い…シャント音の音質はそれなりによく聞こえる
シャント音の聴診の評価は本当に難しいですね。
ちなみに、この状態でシャントがおかしい、と言って私のところに紹介してくれる他の病院のスタッフは少ないです。
シャントトラブルスコアリングや、異常を察知することのできる教育されたスタッフでないと放置してしまうこともあるでしょう。
もちろん、私の施設のスタッフは超スパルタで教育しておりましたので、みんなすごいですよ。
こんなに早くよく気がついたね!というくらい直ぐに気がついてくれます。
(・∀・)
次回は盗血症候群について、高速道路の視点から説明してみます。