つまった人工血管のPTAでの治療③ | 日々是シャント 〜群馬のシャント専門医のブログ〜

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透析用バスキュラーアクセス(いわゆるシャント)専門医が日々の透析からシャント、アクセスそして腎移植までの相談内容を分かりやすく?詳しく紹介していくブログです。

旗たまに、つまっているシャントや人工血管にウロキナーゼだけ注射する施設があります。
やめたほうがいいですよ~大概は不成功だし、大きな血腫を作ったりします。
その後のPTAや手術ができにくくなってしまいます。
それに、ここから書いていくように、詰まった原因を取り去らないと、必ずすぐに再発します。


ある程度血栓が取れたなら、次は造影
(レントゲンに映るように血管内に陰影をつけること)です!

このときあまり強く造影剤を圧入するとすぐ漏れたり血栓が吹き飛んでしまうので慎重に…

$日々是シャント  ~群馬のシャント専門医のブログ~-狭いとこ解説

造影剤を静脈側吻合部に向けてゆっくりと流したところです。

いつも読みにくい字でスミマセン

静脈 せまいところ
つないだところ 流れ(血流の向き)
グラフト(人工血管)

と書いてあります。

つまり、このせまいところが人工血管が閉塞した原因なのです。

そりゃあつまりますね~



前にも書いたとおり、狭くなってしまう本当の原因は分かっていません。
作成した直後は十分な内径があるのですが、
数カ月するとほとんどの人工血管でこうなってしまいます…
テクニックで解決できる問題ではないので逆に辛いです。


グラフトの中に少し血栓が残っていました。
$日々是シャント  ~群馬のシャント専門医のブログ~-血栓あるよ

これを、先程の血栓吸引カテーテルで吸い出します。


血栓がすべて吸い出せたら(動脈側にも同様のことを実施します)

狭窄部を拡張していよいよ血流再開です!