昨日の衆院選。
これがまぁ、頭が痛くなるほど予想どおりの結果になってしまったわけだが。。
中道になった立憲はあまりにも己の歩んできた道を外し、本来の立ち位置だった反原発・反安保法制・反辺野古移設の受け皿を自ら捨て去るようにして「右」にすり寄った結果、そのきわめてテキトーな思想を逆に咎められて崩壊に陥った。
また、お題目の「消費税減税」を高市に上書きされてしまって目先の願望に対する独自の答えを失ったれいわと共産も、合理的な現実解を示す政党に吸収される形で見事に砕け散った。
議席数の増減で見れば、今回何が起きたかは極めてシンプルだ。
中道の議席がまるごと自民に移動し、れいわ&共産の議席はみらいに移っただけ。
あとは無所属・保守・減ゆ・欠員の議席を、維新・参政・国民で分けあった事になる。
誰もが思う通り、中道・・・と言うか、立憲が巨大な墓穴を掘ったことの影響は大きいだろう(公明はあまり減らしてない※)。しかし、何よりも高市自民の強さが際立っていた。高市自ら仕立て上げた「自分を選んで貰えるかどうか?」という争点に、多くの有権者がまんまと飲み込まれた、これに尽きると思う。
※(追記)一本化されていて勘定し辛いのだが、公明出身者は議席を増やしている?未確認だが24→28議席の情報アリ
そしてこの結果はもう、事前に明らかに予測出来たことだ。理由は3つある。
①有権者は大概バカでチョロいということ。簡単に操られるんだから、手管に長けた組織が周到に誘導すればそれで済む。経済政策など高市の主張をメディアが突っつけば突っつくほど高市推しが活気づく「敵対的メディア認知」もそれを支える。
②そんなバカにでも、節操無く左右にゴロゴロ寝返りを打つような奴らは見限られるということ。それ以上でもそれ以下でもない。
③日本はそれほどまでに危機的状況にあるということ。有権者の多くが今を危機と捉えている。ウクライナでパレスチナで止まらない戦争、米トランプ政権の暴走、台湾有事への不安、円安・インフレ、米価高騰などなど。
ハッキリ言って②は論外で、重要なのは①と③。
①の傾向は今後も修正しようのないものだろう。民主国家は成熟すればするほどポピュリズムに陥るという事実が示された訳だ。つまり、与党との対立軸を掲げて選挙に臨むという従来の野党の戦略は、今後は一切成立しないだろうということになる。有権者は対立する価値観など見ておらず、対立しようとする「姿勢」を見て嫌気がさすといった立ち位置に居る。それほどまでにモノを考えないバカばかりなのだから、野党も如何に「バカを振り向かせるか」で戦う必要があるということだ。ただし、②のようにバカからもバカにされるような振る舞いは2度としてはならない。簡単に捨て去るぐらいなら思想なんて初めから無い方がいい。
③の理由は非常に深刻な事態を示唆している。これは全体主義の足音そのものなのだよ。災害や戦争、深刻な経済危機によって社会秩序が動揺し、従来の階級・地域共同体・職業的結び付きが崩れると、人々は政治的にも社会的にも孤立した「大衆」へと変質する。孤立は無力感と不信を増幅させ、現実の複雑さに耐えられなくなった大衆は、世界を単純化して説明し、明確な敵や使命を提示する運動に引き寄せられる。こうして不安を動員資源とする全体主義運動が勢力を拡大し、最終的に全面的支配へと至る危険が高まる。これはハンナ・アーレントが「全体主義の起源」で示した構造分析である。
能登の震災で大衆が一斉に「政府に従え!」となったのを覚えているだろう?
以下、その時に書いたものを引用する。
危機的状況は人々に、「複雑性を排してわかり易く」を望ませるための劇薬となる。
「公共」の概念は元来複雑性を担保すべきものだが、パニックに陥った人間はそんなものに関わる余裕すら失い、自らは何もすることなくすべてを人任せにしようとする。もともと自発的に隷従する傾向を持つ人間の習性を加速させるわけだ。だからこそ、国家間の対立や自然災害など、あらゆる危機的状況は「権力に利用されやすい」のである。

