母が特別養護老人ホームに移って

1年と3ヶ月が経ちました。

 

入居当初は

コロナ感染症の対策で

面会制限がありましたが、

現在はかなり緩和されてきています。

 

でも母は全く認識していないけど

母が原因のトラウマがわたしにはあります。

 

だからできれば母には会いたくなくて、

面会にはほとんど行っていません。

 

母と物理的な距離ができたら

こんな想いは変化するんじゃないだろうか?

 

時々会うだけになれば、お互いを

思いやれるような和やかな関係に

なれるんじゃないだろうか?

 

ということを期待していましたが

1年以上経っても何も変わらない。

 

実は、

娘であるわたしに

母が直接電話をしたいと言っても

まずは、わたしの娘(母の孫)に

電話をしてもらうよう施設には

お願いしてあります。

 

ですが最近、母が懇願するのか

職員も面倒臭いのか

わたしのスマホに着信が

くるようになってしまいました。

 

再度、施設側に

連絡方法の周知をお願いしましたが、

 

母にとっての施設での暮らしは

概ね良好なはずです。

 

大好きなお喋りは施設の職員さんとできるし、

食事は栄養管理がされているし、

少しの体調変化でも

すごく気にかけてしまうのですが

そういったこともすぐに看護師や職員に

相談して対処してもらえる。

 

もちろん全てに満足

というわけにはいかないと思うけど、

自宅に一人でいる時より

確実に元気になり

この1年間、体調の大きな変化は

ほとんどないというのは

すごいことだなぁと感心するほどです。

(心筋梗塞を患い心不全が進行していた)

 

でも、母が電話をしたい時は、

 

自分の(母親の)顔を

見にこない娘のわたしに対してか、

 

してほしいことをすぐにやってくれない

職員に対してなど、

 

愚痴と不満と文句がある時です。


だから電話での母の声は

沼の底から囁いているようで

暗くて怖い。

 

その声を聴いた途端

母が近居で暮らしていた頃の生活を

思い出してしまうことで、

 

「母の沼」に引き摺り込まれ、

浮き上がれなくなり、

 

やっぱり母からは

逃げられないんだという

喪失感と無力感に

数日苛まされることになります。

 

家族は事情を知っています。

だから

夫も「会いに行かなくていいと思うよ」

娘が「わたしが会いに行くよ」と

言ってくれるのですが、

実の母だけに

いろんな想いが交錯します。

 

想いが交錯している状態も辛いので、

本音は「母のことを忘れたい」のです。

 

こんなこと思うのって

ひどい娘なんだろうな...

 

距離ができると

お互いのネガティブな想いは消えることなく

逆にその想いは丸々と太っていくようです。