Q.式の中に絶対値を含む関数は、
 必ず連続でしょうか?


A.絶対値の中に入っている関数、絶対値の外にある関数が、
 両方とも連続ならば、連続です。


Q.証明できますか?


A.数Ⅲに出てくる「連続性の定義」を使って示すこともできますが、
 以下のことを認めればもっと簡単に理解できます。

 y=f(x),y=g(x)を連続関数とするとき、
 ①y=f(x)+g(x)は連続関数
 ②y=f(x)g(x)は連続関数
 ③y=f(g(x))は連続関数

これを使うと、たとえば、

 y=x|x+1|-2x

という関数が連続であることは、以下のようにして確かめられます。
まず、f(x)=|x|,g(x)=x+1はともに連続関数だから、
③より、|x+1|=f(g(x))は連続関数。
y=xは連続関数だから、②より、y=x+|x+1|は連続関数。
さらに、y=-2xは連続関数だから、①より、
y=x|x+1|-2xは連続関数。



数Ⅲの「連続性の定義」を使うと、①②③が証明できるのでクマノミ
結局、数Ⅲのレベルで、絶対値のついた関数は連続であるということが言える。

クマノミ
①②は極限の公式を使います。
③は、極限の定義の中に含意されている、
 「限りなく近づくなら、どんな近づき方でも、極限は同じ」
ということに注意すれば、わかる。
H:Hilbert空間
A:H上の自己共役作用素
とする。
可測関数f:RCについて、
が正ならば、
f(A)の定義域D(f(A))は、Hで稠密である。


<証明>

D(f(A))のすべての元と直交するような、ψ∈Hを任意にとる。カエル
は有界だから、H全体で定義される。フグ
よって、D(f(A))ペンギンが存在し、

ここで、1/f(λ)は非負値関数、測度<ψ,E(・)ψ>は非負測度なので、
このψに対して<ψ,E(・)ψ>は零測度でないとおかしい。ゆえに、

となり、ψ=0
したがって、

つまり

であるから、D(f(A))はHで稠密である  □


カエル
たとえばψ=0があるので、このような元ψは必ずひとつは存在する。

フグ
まず、は、逆関数のことではなく、のことである。
||ψ||=1なる任意のψ∈Hに対して、

より有界となり、スペクトル分解した作用素の定義域の定義よりH全体で定義される。

ペンギン
行列の先には、線形作用素というものがあります。

行列も線形作用素ですが、
ふつう線形作用素といったら、無限次元の空間で考えます。
(高校ででてくる行列は2次元。たまに3次元。)

線形作用素を勉強するには、
「関数解析」の本を読めばいいですが、
関数解析は、その名の通り、「関数」の空間を
調べる学問なので、行列とは毛色の違う話題も
たくさん含んでいます。

より行列チックな内容が書いてある本として、

 ヒルベルト空間と線形作用素(数理情報科学シリーズ)
 日合文雄、柳研二郎 著
 牧野書店

があります。
(といっても、筆者はちゃんと読んだことがないので、
読みやすいかとか、どのくらい詳しいかとかは分かりません。
しかし、関数解析の本に書いてないような、
行列チックな話題が書いてあるのは確かです。
パラパラ見た感じでは、文字やレイアウトは割と見やすいし、
演習問題もあって、いい感じです。)

牧野書店のHPから本書の目次をコピペすると、

 <主要目次>
 1.ヒルベルト空間
 2.ヒルベルト空間上の線型作用素
 3.スペクトル分解
 4.ヒルベルト空間上のコンパクト作用素
 5.作用素単調関数と作用素平均
 6.作用素特論
 付録(いくつかの基本定理) 文献ノート 参考文献

というような感じです。
1~4は、どの関数解析の本にも書いてますが
(3は簡単なのには書いてないかもしれませんが)、
5は(行列チックな内容だと思いますが)、関数解析の本には書いていません。
本書は、“作用素論”の本なのです。

予備知識として、位相空間、測度論、複素函数論を
仮定しているみたいなので、高校生には厳しいですが、
関数解析を勉強しているけど、関数空間の話より、
作用素そのものを詳しく勉強したいという人は
本書を手にとってみてはいかがでしょう。

また、この本によって、作用素論と作用素環論は別ということを知りました。
(いまさら?)