2次関数に平方根をつけた関数のグラフはどんなものになるでしょうか?
1次関数になるのでしょうか?



は、平方根のところで習う方に

ですから,そのグラフは

となります.単なる1次関数ではなく絶対値つきの1次関数に
なりますが,まあ1次関数になっています.






です.

さっきのを平行移動しただけです.



では

はどうでしょうか?
これは平方根がはずれません.とりあえずグラフを描くと

となります.

なぜこんな形になるのか定性的に理解できるでしょうか?

V字なのは



と同じです.
√は“正の”平方根ですから,xが負になっても
yは負になれなくて,折り返されます.

x=0で1なのは,“+1”が付いているからです.


カーブの具合(変化の割合)に何か意味はあるのでしょうか?
だんだん1に近づいていくように見えます.
xが大きいとき“+1”はxに比べて無視できるほど小さいので

と考えられます.実際,グラフでも

となっています.

以上のことから

はxが大きいとき

の代わりになるといえるでしょう.
よってこの関数も“だいたい1次関数”です.

ついでに逆関数のことも考えておきましょう.
“代わり”になるといいましたが,
とくに逆関数を考えたいとき“代わり”にします.


の逆関数のグラフは

です.x=0で∞に発散してしまうので,扱いにくいことが多いです.
“代わり”に

の逆関数ならば

の青色の関数となります.
発散しないし,xが0から離れればもとの逆関数とほぼ同じです.


このように,逆関数が発散するときに代用品を考えることができます.

は,一部の人々の間ではよく使われるので

と書かれることもあります.
一週間前に実施されたセンター試験の数IAを解いてみました.
以下感想です.


第1問 2次関数

最後に2次不等式の問題がありますが,
xに範囲があって,普通の2次不等式の解法ではできません.
2次方程式でいうところの「解の配置」的な問題です.
しかし,グラフを描けば割りと単純な状況だとわかります.

単純とはいっても,あまり見慣れない問題なので,
2次不等式とグラフの関係を理解してないと
困りそうです.


第2問 論理&三角比

個人的に,論理は疑心暗鬼になるので時間がかかりました.

後半は三角比です.旧課程では第3問を占めた三角比ですが,
今年は大問の半分になってしまいました.
最後の問題だけはちょっと骨のある問題でした.
点が動くのに合わせて変化する角が主役となる問題で,
あまり見かけない設定だと思いました.


第3問 データの分析

新規参入分野の「データの分析」です。
大問まるごとだったので驚きました.
最初から定義を正確に記憶していないと解けない問題で,
浪人生には大変だったかもしれません.
筆者も旧課程ですから,困りましたが,
『総合的研究 数学I+A』で一通り勉強しておいたので
なんとかなりました.

中央値とか四分位数は,データの“個数”に由来する数なのか,
データの“値”から来る数なのか混乱しがちです.
(学校で習ってるとそうでもないのか?)

あと,データの分析は,面倒な計算をある程度避けられない
ようです.桁数の多い数を検討を付けながら処理する力が
求められます.化学みたいね.


第4問 確率

最初の「アイ」で一瞬止まりましたが,
CとかPとかに頼り過ぎず,地道に場合分けすればOK.
「計算」と「書き出し」のバランス感が求められます.

最後の問題も,手間を惜しまなければできます.

しかし,筆者は「クケ」の「どちらかの端」を
片方分しか数えていなかったため,この大問で4点失いました.


第5問 整数

一つの数が,√amとか126kとか,いろんな形で
登場するのでなにをやってるのか分かってないと
最後まで行けないと思います.

途中で出てくる不定方程式は誘導なしで
解くことになっていましたが,
新課程生は,これくらい自力で解けるのか?


第6問 平面幾何

方べきの定理で始まり,「キク」も方べきの定理
と思いきや
メネラウスの定理でした.
比の問題ばかりでした.



全体としては,
第1,2,3問必須,第4,5,6問選択で,
大問5つも(去年までは4つ)解かないといけなくなりました.
そのせいか,コンパクトな問題の寄せ集めという印象があります.
「データの分析」の第3問以外は,
典型的な問題+最後に頭を使わせる問題,という構成だと思います.

機械的に解法を当てはめて解ける問題と,
機転を利かせて「図やグラフと関連づけて考える」「誘導で
なにをやっているか理解して解く」といったことを要求する問題とが
両方が入っていた点では,良い問題だったのではないでしょうか.

一方で,第3問は,最後だけ突出しているということがなく,
去年までの,「三角比」と「平面図形」がやっていたことを
“「データの分析」版”にしたという感じです.
来年度以降どうなるかわかりませんが,今年を見る限り,
大学入試センターは,「幾何学よりも統計を重視する!」
と宣言しているようです.
“現実世界で役立つ数学”の台頭となるのでしょうか?

いずれにせよ図形問題の弱体化はさみしい.


(おわり)
問題
ある数Kを定めて,
どんな正の数a,b,c,dに対しても

が成り立つようにできるだろうか?


ちょっと意味がわかりにくいので,
具体例で考えてみましょう.

たとえば,K=2はどうでしょうか?

a=1,b=2,c=3,d=4とすると

よりOKです.
しかし,a=1,b=9,c=1,d=9とすると

よりダメです.

どんなa,b,c,dでも使える万能のKは存在するのか?
という問題です.


ちなみに,逆の

だったら簡単です.

K=1とすればよい.

なぜなら,a,b,c,d全部正だから




さて,問題の答えですが,
代数的に(式計算で)考えると
結構難しいのではないかと思います.

筆者は行き詰っていろいろ考えているうちに
図形的に考えることにしました.



(a+b)(c+d)は長方形全体,ac+bdは青色の部分である.
青色の方が小さいのは見て明らかですが,
何倍か(K倍!)することで,常に青色のほうが
大きくなるようにできるだろうか?


もし,そういうKが存在したとすると,

より

したがって,長方形全体と青い部分の比がKより大きくならない
ということになります.

しかし,それは無理です.



のように青い部分を細く細くして面積をいくらでも小さくできます.
すると,分母がいくらでも小さくなるのだから,
どんなKをとってもいつかは超えられてしまう.


ゆえに,「万能のKは存在しない」というのが問題の答えです.