放物線と円の接触について
①3点を通る円の極限
②n次の接触
③曲率が最大になる点(頂点)
の3つの観点で調べる。
放物線を考え、点(0, 0)で接触する円について調べる。
①3点を通る円の極限
『本格数学練習帳2 メビウスの作った曲面』(D. フックス、S. タバチニコフ、岩波書店)の第10講のはじめの方の記述を参考に考える。
<接触円について>
平面上の曲線γを考える。γに点(x, y)∈γで接する円の中で、γに「最も接する」ものを「接触円」という。接触円は次のように構成することができる。曲線γを、tを用いてパラメータ表示する。γ上の点(x, y)を点γ(t)と表すことにして、曲線γ上の3点γ(t-ε), γ(t), γ(t+ε)を通る円を考える。この円の、ε→0としたときの極限が点xにおける接触円である。
放物線上の3点
を通る円を考える。半径を
とすると、中心は
で、
ここで、とすると、
よって、接触円は、中心、半径
の円である。
②n次の接触
『岩波全書226 微分幾何学』(窪田忠彦、佐々木重夫、岩波書店)の第1章§3の記述を参考に考える。
<n次の接触について>
曲面F(x,y,z)=0と曲線x=f(s), y=g(s), z=h(s)を考える。曲線上の点を曲面の方程式の左辺に代入してできる、sの関数について、
かつ
であるとき、曲線と曲面とはn次の接触(contact of the nth order)をするという。
※パラメータsは弧長である。またFに関する条件もあるがここでは省略する。
『微分幾何学』では、曲面と空間曲線を扱っているが、この記事では平面上の曲線と曲線について適用する。
放物線と①で求めた円とが点(0, 0)において3次の接触をすることを確かめる。
とする。円は弧長sがパラメータになるようにしている。このとき、
よって、3次の接触をする。
『メビウスの作った曲面』によると、接触円は曲線と3点接触をするとか、曲線に位数2の接し方をするという、とのことである。さらに、曲線の頂点で位数は通常よりも高くなり超接触をする、ということである。
位数とは接触の次数のことだろう。そうすると、確かに頂点で超接触している。
曲線どうしの場合、どちらをF(x,y,z)=0にして、どちらをパラメータ表示するか、ということが考えられるが、パラメータは弧長sを使わないといけない。放物線を弧長sでパラメータ表示するのは難しいので、放物線をF(x,y,z)=0で表し、円をパラメータ表示した。
③曲率が最大になる点(頂点)
<曲率について>
『曲線と曲面の微分幾何』(小林昭七、裳華房)第1章§2の記述を参考に考える。
曲率は
で計算できる。
放物線を
とパラメータ表示し、点(0, 0)における曲率を計算すると
『メビウスの作った曲面』によると、曲率が最大や最小になるところを頂点という。
曲率はt=0のとき最大になるから、点(0, 0)が頂点となり、数学Ⅰで学習する放物線の頂点と一致し、つじつまが合う。また、このときの曲率はκ(0)=2である。曲率の逆数が曲率半径だから、①で求めた円の半径がであることともつじつまが合う。