クロソイド(clothoid)は媒介変数表示

 

equation

で表される曲線です。

クロソイドは、曲率半径をR、弧長をLとして、「積RLが一定の曲線」と定義されます。

 

equation

ここで、Aはクロソイドパラメータというそうです。2乗になっているのはレムニスケートを思い起こさせます。また、κは曲率で、Rの逆数です。

進めば進むほど曲がり具合が大きくなる(コンパクトな曲がりになる)わけです。

 

概形はネットで検索してみてください。この曲線は道路のカーブに使われているそうで、Youtubeで「クロソイド」を検索すると測量士の資格試験対策の動画が出てきました。(積分は出てこなくてかけ算で済む問題でした。)

 

Youtubeでは数学的な解説を見つけられなったのですが、webページのMathWills「クロソイド曲線の導出」は参考になりました。webページを頼りに導出の過程を追う中で、一般の曲線でも

 

equation …★

が成り立つことに気付きました。ここで、ℓは弧長、θは接線とx軸のなす角です。

 

クロソイドの場合は

 

equation

となるので(左辺は曲率の定義より、右辺はクロソイドの定義より)、

原点をスタート位置(L=0の点)とすると、そこでは概形よりθ=0だから、

equation

改めてθ、Lを使うと、

equation

これがクロソイドにおける公式です。A=1として、これを一般論★に適用すればクロソイドの媒介変数表示が得られます。

 

最後に、★の導出について書きます。

曲線上に2点P(x,y), Q(x+Δx, y+Δy)を取ります。

点Pにおける接線とx軸がなす角をθ、点Qにおける接線とx軸がなす角をθ+Δθとします。

2点P, Qを十分近くとれば、P, Qの間では曲線は単調増加か単調減少になります。

よって,~P, Qの間では接線とx軸のなす角は単調に変化します。

ゆえに、2点P, Qを十分近いときは、直線PQがx軸となす角はθとθ+Δθの間の値を取ります。

この値をθ+α (0<α<Δθ)と書くと、

 

equation

ここで、点Qを点Pに限りなく近づけるとα→0、そしてたぶんPQ/ΔL→1となるから

 

equation

yも同様である。両辺を積分すれば★が得られます。

 

※PQ/ΔL→1が成り立たないような曲線では、★が成り立つ保証はありません。

問題

5で割ると3余り、9で割ると2余り、14で割ると6余る整数をすべて求めよ。

 

検討

前回の記事「百五減算・中国剰余定理 2変数の場合」と同じようにして解けるが、

求める自然数Nを  とおくのはうまくない。

のようにbもcも残ってしまう。

そこで  とおく。

 

5,9,14のどの2つも互いに素だから、求める整数Nは、整数a、b、cを用いて

と表せる。宇宙人

 

宇宙人「百五減算・中国剰余定理 2変数の場合」で使った理屈を2回使う。

まず、9×14と5は互いに素だから、任意の整数Nに対して

 となる整数a,Mがある。

次に、9と14は互いに素なので、その整数Mに対して

 となる整数b,cがある。
 

Nを5で割って3余るための条件は

よって、Nを5で割って3余るための条件は、

ℓを整数として  と表せることである。

 

同様にして、

Nを9で割って2余るための条件は、

mを整数として  と表せることであり、

Nを14で割って6余るための条件は、

nを整数として  と表せることである。

 

以上より条件を満たす整数Nは

ここで、ℓ,m,nは任意の整数であるから、求める整数は

問題

9で割ると2余り、14で割ると6余る整数をすべて求めよ。

 

9と14は互いに素だから、求める整数Nは、整数a、bを用いて

と表せる。宇宙人

 

宇宙人Nがどんな自然数であったとしても、うまくa、bを選べば、

と表すことができる。

実際、これをaとbを未知数とする不定方程式と考えて解けば

そのようなa、bを見つけることができる。

解く過程で9と14が互いに素であることを利用する。

 

Nを9で割って2余るための条件は

(3行目から4行目は両辺2倍した。)

よって、Nを9で割って2余るための条件は、kを整数として

と表せることである。

 

Nを14で割って6余るための条件は

よって、Nを14で割って6余るための条件は、ℓを整数として

と表せることである。

 

以上より条件を満たす整数Nは

ここで、k、ℓは任意の整数であるから、求める整数は