カンブリア紀に遡る発光生物の起源 | 歴史ニュース総合案内

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 発光生物の起源が約5億4000万年に遡るという遺伝子研究から判明し、成果論文が4月24日付で英国王立協会紀要Bに掲載された。八放サンゴ類の共通祖先をカンブリア爆発の時期まで遡ることができた。

 名古屋大学の別所-上原学特任助教授らの国際研究グループはイソギンチャクやサンゴが属する刺胞動物門花虫類の発光の起源を探究。八放サンゴ類にはウミシイタケやウミサボテンなど自ら発光する生物が多いが、研究グループは花虫類全体の分子系統解析や祖先形質推定法を実施し、発光能力を共通祖先が得たのはカンブリア紀の5億4000万年前だったと結論した。これまではウミホタルなどの海貝が2億7000万年ほど前に初めて得たと思われていた。

 

 腔腸動物の八放サンゴ鋼は8本の触手と8つの胃腔隔壁を持ち、33属が発光し、今は発光しない種も過去は発光していた。対してイソギンチャクなどの六放サンゴ綱は大半が発光せず、発光するのが6属いるが、かなり後から発光し始めたようだ。刺胞動物でもオワンクラゲなど発光する海月は光る原理が異なっている。