リニア工事で水不足の中山道宿場町 | 歴史ニュース総合案内

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 岐阜県瑞浪市の大湫(おおくて)宿がJR東海のリニア工事で水位低下に悩まされている。大井川の水源低下などで大きく揉めた静岡県のような懸念は、実態を伴うものだ。

 瑞浪市の山間部に位置する大湫では2月から日吉トンネル工事に伴う水の漏出で水位が2月頃から低下。井戸や溜め池など14か所で水位が低下したため、JR東海は代わりの井戸を2基掘らされることになった。前後の建設区間でも水源を確保するための井戸を掘らされるという。

 海抜510mの高所にある大湫宿(大久手宿)は中仙道69宿で47番目の宿である。中津川からは大井宿(恵那市)の次の宿だが、十三峠を越える山地のため、近代の中央本線から外れており、最寄りの釜戸駅からのバスが無い状態にある。細久手宿へ続く中山道のように御嵩町から可児市へ繋がる路線工事で、瑞浪市の区間は13kmぶん全て日吉トンネルである。

 

 静岡県ではのぞみやひかりの停車本数増加を広報し、南アルプストンネルの建設で強硬反対派の川勝知事を辞職に追いやったJR東海だが、「のぞみ」等はそう運行しないと東海道新幹線の存在意義が無くなるだけの話である。多治見につくる話がいつの間にか無くなった岐阜県の停車駅は、中津川市の美乃坂本駅が予定されているが、大正ロマンを売り出す明智鉄道の恵那駅からも中津川駅からも不便な場所だ。