アポロの月の石から更新された月の年齢 | 歴史ニュース総合案内

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 月面着陸したアポロ17号が採取した「月の石」(月岩石)の結晶を新たに分析したところ、月の推定誕生年代が遡ることが分かり、成果が10月23日付で公表された。通説での44億2500万年前の誕生時期が44億6000万年前に塗り替えられた。

 シカゴのフィールド自然史博物館などの研究チームは、NASAの最後の月面探査で1972年12月にハリソン・シュミットらが採集した岩石を最新技術で再解析。粉塵の中の鉛の同位体を使って、月岩石に含まれるジルコン結晶を年代測定し、月の誕生年代を3500万年遡らせ、四捨五入による年代推定を1億年遡らせた。

 

 月は地球が誕生して間もない時期に衝突した巨大隕石で飛び散った地球の岩塊とされており、この最有力なるジャイアント・インパクト説が正しい限り地球より古い年代にはならない。

 月の誕生年代は遡る傾向にある。アポロ14号の月岩石からのジルコン結晶を基に、UCLAの研究陣は45億1000万年前と今回よりも古い年代を2017年に出しており、先ネクタリス代の細かな年代は定まっていない。