ガイアナ西部を狙うベネズエラ | 歴史ニュース総合案内

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 ベネズエラで東の隣国ガイアナの西部6州を自国領と認める是非を問う国民投票が12月3日に開かれ、圧倒的多数が賛成した。エセキボ地方に対して、英領ガイアナに領有権を認めた1899年の国際裁定の無効性を訴えている。

 激しいインフレに見舞われ続ける二コラ・マドゥロ大統領のベネズエラが、世界一分断された国情を対外戦争で晴らすべく領土拡張を計画。ガイアナ領土の7割に当たる領域に直接狙いを定めた。他の天然資源も豊富なガイアナでは2015年から西部の沖合でスターブロックやオリンデュイク等の油田が続々と開発されており、ガイアナは高い経済成長を遂げている。ガイアナはベネズエラの動きに対して、国際調停を求め、米軍との合同演習に踏み切った。

 

 オリノコ地方東部でエセキボ川西部の約16万平方キロメートルを巡るこの国境問題は1897年に表面化。しかし、パリでの仲裁裁判で英国の主張が認められて英領ガイアナとなった。ガイアナは1966年に英国から独立し、ベネズエラともジュネーヴ協定で国連での解決が約束された。

 しかし、ベネズエラ側は長らくこれを不満とし、地図で係争地扱いにしてきた。国民投票の質問では1899年と1966年の裁定と現代の国際司法裁判所の管轄権を認めぬよう設問されていた。