辺野古に投入されかねない沖縄戦の遺骨 | 歴史ニュース総合案内

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 沖縄県名護市の辺野古沖につくられる新たな米軍基地の埋め立て工事で、太平洋戦争時の沖縄戦の遺骨が混じり込むとの非難が起きている。埋め立て土砂の7割近くを沖縄戦の激戦地となった本島の南部地区から調達する計画だからだ。

 宜野湾市の米軍普天間基地の移転先として、非難を集めながらも辺野古では2018年から埋め立て工事が進行している。軟弱基盤が見つかったため、この4月から新たに土砂を混入することになったが、特定外来生物が混入しないよう沖縄県内に土砂を求めることに。そして、糸満市や八重瀬町の南部地区の山林が候補地に選ばれた。

 

 この辺りの山林には、遺跡認定されていなくとも回収されないままの沖縄戦時の遺骨や遺物が土中に埋まっている。遺骨と石灰岩の区別は難しく、この計画では沖縄戦の日本兵の遺骨が政論かまびすしい米軍の海上基地の地盤に混入される。沖縄県議会は遺骨を含む土砂を辺野古に使わないよう求める意見書を採択した。

 兵士遺骨というやりにくい課題に直面した防衛省は、南部地区の土砂を使うと決めた訳ではないと釈明。混入しないよう努めると述べた。