世界文化遺産になる縄文定住文化 | 歴史ニュース総合案内

歴史ニュース総合案内

発掘も歴史政治も歴史作品も

 ユネスコの国際記念物遺跡会議(イコモス)は5月26日までに「北海道・北東北の縄文遺跡群」の17遺跡を世界文化遺産に登録するよう勧告した。世界史的には新石器時代に相当する縄文文化が、大平山元の「世界最古の土器」などと共に公認される。

 屋久島とは別個に自然遺産で登録される運びとなった「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」と同時に、7月16日からオンライン開催されるユネスコ世界遺産委員会で正式に登録される。「北海道・北東北・・」とあっても青森県が最多で、北海道のは著名な遺跡ではない。日本の世界遺産数はこれで文化19、自然6の25件となる。

 代表格の縄文遺跡に21世紀昇格した青森市の三内丸山遺跡は兎も角、遺跡の中には登録まで空き地か地元の小さな遺跡程度の状態だった所が大半だが、イコモスは環境整備するようにも要請。例えば秋田県鹿角市の大湯環状列石(ストーンサークル)では、野中堂と万座の2列石を分断している道路を不適切な構造物として撤去するよう求めた。

 

 縄文時代は世界史で石の刃が普及した新石器時代に相当する。農耕の普及は世界史の時代区分では考慮されない。イコモスは縄文文化の世界史的意義について、農耕しなくとも定住し、土偶にみられるような高度な精神文化を発達させ、定住社会の発展段階や氷河期も含む環境への適応を示している先史時代の文化と評価。狩猟採集のために移住を繰り返さなかったという一般にはあまり普及していない像に従って、縄文文化はユネスコから評価された。

 

 登録遺産

 青森県

 三内丸山遺跡、小牧野遺跡(青森市)

 是川石器時代遺跡 (八戸市)

 大森勝山遺跡 (弘前市)

 亀ヶ岡石器時代遺跡、田小屋野貝塚 (つがる市)

 大平山元遺跡 (外ヶ浜町)

 二ツ森貝塚 (七戸町)

 

 北海道

 大船遺跡、垣ノ島遺跡 (函館市)

 北黄金遺跡 (伊達市)

 キウス周堤墓群 (千歳市)

 高砂貝塚、入江貝塚 (洞爺湖町)

 

 秋田県

 伊勢堂岱遺跡 (北秋田市)

 大湯環状列石 (鹿角市)

 

 岩手県

 御所野遺跡 (一戸町)