バイオハザードとは | 日本史の謎の空白を解明する、

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バイオハザードとは



バイオハザード(英:biohazard、biological hazard、生物学的危害[2]
)とは、有害な生物による危険性をいう[3]
。古典的には病院や研究所の試料や廃棄物など、病原体を含有する危険物を指してきたが(病毒をうつしやすい物質[4]
)、20世紀末からは雑草や害虫を強化しかねない農薬耐性遺伝子や農薬内生遺伝子を有する遺伝子組み換え作物等もこの概念に含まれてきている(遺伝子組換え生物等)[5]


病毒をうつしやすい物質
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肝炎ウイルスや結核菌、エキノコックス、プリオンタンパク質といった病原体の培養物やその廃棄物、注射針等の医療廃棄物、生物兵器といった、病原体等を含有する物質を総称して病毒をうつしやすい物質(英:infectious substances)という。病原体とは感染症の原因物質のことであり、ウイルスや細菌、リケッチア、寄生虫、真菌、プリオン
タンパク質等のうち、人畜に感染性を有し、その伝播により市民の生命や健康、畜産業に影響を与えるおそれがあるものを指す[6]




病院の臨床検査室における典型的なバイオハザード物質、結核菌の培養物

バイオハザードの歴史は、1876年、ロベルト・コッホが炭疽菌の純粋培養に成功したことに始まる[7][8]
。これ以降、注射針(針刺し事故)やピペット(菌液を吸い上げる際の誤飲)を介してチフス菌、ブルセラ菌、破傷風菌、コレラ菌、ジフテリア菌と、実験室感染が毎年のように相次ぐこととなる[9]


20世紀半ばに至ると、米ソ冷戦により生物兵器研究が活発化し生物兵器研究者をバイオハザードから守るべく、軍事研究においてバイオセーフティが発達することとなった[7]
。民間においては1967年8月、西ドイツのマールブルグにおいてウガンダのアフリカミドリザルを解剖中、

マールブルグ病に感染、7名の死者が出る惨事があり、これを契機に、民間にもバイオセーフティの必要性が認知されることとなった

[10]
。しかしこの後もバイオハザードによる感染事故は相次いだ。1978年、英国

バーミンガム大学において、天然痘ウイルスがエアロゾルとなって空調に漏洩して棟内感染、2名の死者(感染したバーミンガム大学技術者

ジャネット・パーカーと、ウイルスを漏洩させ自殺した天然痘世界的権威ヘンリー・ベドスン)を出した

[11]
。そして1979年には、炭疽菌が旧ソ連スヴェルドロフスク

の生物兵器研究所から市街に漏洩し、96名が感染[12]
、66名が死亡するという大惨事が発生した[13]




米国の生物兵器「E120爆弾」

過失による事故が多発する一方、20世紀末には、故意による事件が発生し始める。日本では

オウム真理教が1990年にボツリヌス菌の大量散布を試み[14]
、1993年には炭疽菌の大量散布を試みたが(

亀戸異臭事件)いずれも失敗に終わった。米国では2001年、炭疽菌の入った手紙が米国の報道機関や議員宛てに送りつけられ、22名が感染、うち5名が死亡した(

アメリカ炭疽菌事件)。

「感染症の歴史」も参照

このように、病毒をうつしやすい物質は過去に幾多の事故や事件を引き起こしており、これがバイオセーフティの呼びかけやバイオセキュリティ上の規制に繋がっている。

世界保健機関(2004年)は『WHO実験室バイオセーフティ指針』を示すなどして、感染防止、漏洩防止(バイオセーフティ)を呼びかけている。輸送にあっては、国際連合が

国際連合危険物輸送勧告により、感染性廃棄物を含めて第6.2類危険物「病毒をうつしやすい物質」(Infectious substances; UN2814, 2900, 3373, 3291)としてバイオセキュリティに配慮するよう勧告している。 これらを受け、日本では、

特定病原体等などを含有する物質は感染症法・家畜伝染病予防法、感染性廃棄物は廃棄物処理法

等、輸送にあっては、危険物船舶運送及び貯蔵規則および航空法施行規則による規制がなされるに至っている。

遺伝子組換え生物等
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殺虫剤内生トウモロコシ「BTコーン」

遺伝子組換え生物の危険性は、1974年、ポール・バーグによる「Berg書簡」等で指摘され、『サイエンス』誌等でその検討が呼びかけられた

[15]
。発がん遺伝子

が大腸菌に入ると危険かもしれないという指摘であった[16]
。遺伝子組換えは原子力事故

と同じような危険性を孕んでおり、アシロマ会議ではどのようにすれば研究を安全に行えるかが話し合われた

[17]
。この結果を受け、日本では『組換えDNA実験指針

』が取りまとめられた。

以来、遺伝子組換え生物等のバイオハザードについてはこの組換えDNA実験指針

を以て安全管理が呼びかけられていたが、2004年に遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律

(通称「カルタヘナ法」)が施行されてからは、罰則のついた法的な規制が敷かれている。

封じ込め
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封じ込めの要となる設備、安全キャビネット

前述のとおり、実験室や輸送容器等からバイオハザード物質が漏洩すると、甚大な被害に至ることがある。これを防ぐために施される拡散防止措置を

封じ込めと呼ぶ。取扱い生物を列挙し、感染症法や世界保健機関等の示す指針に従って等級(リスクグループ)を割り出し、必要な管理等級(x種病原体等取扱施設、BSLx、Px等)を決定、推奨事項の履行を検討し、

実験室を設計、従業員に作業・運営に関する教育を施す。実験室の設計等にあっては、感染症法の特定病原体等取扱施設要件

[18]
やカルタヘナ法の規程の定める防犯(#バイオセキュリティ)にも配慮が必要である。

物理的封じ込め [編集]

バイオハザード物質の漏洩を物理的に防ぐことを物理的封じ込めという。具体的には、

差圧の確保や滅菌器の設置、更衣、手洗い、マスクの着用などである。バイオハザード物質を危険度により分類し、それぞれに必要な拡散防止措置を定める。より危険なバイオハザード物質を扱う部屋ほど、多くの対策が必要となる。

取扱生物等の等級付け(リスクグループの設定) [編集]

世界保健機関(2004年)はリスクグループの設定基準は示しているが、具体的にどの生物がどの等級に属するかは示していない。日本の法令では、

感染症法で特定病原体等が指定され、また危険物船舶運送及び貯蔵規則

・航空法施行規則が準拠する国際連合危険物輸送勧告により指定感染性物質が定められている。これに準拠したうえ、

家畜伝染病予防法の法定伝染病・届出伝染病、植物防疫法の指定有害動植物、国立感染症研究所(2010年)

や日本細菌学会(2008年)の規程・指針などを参考に、法定外のバイオハザード物質についてもリスクグループを各国・地域で指定・策定する。日本における病原体等のリスク指定としては、

国立感染症研究所(2010年)と日本細菌学会(2008年)

によるものがある。

日本における法定分類 [編集]

日本における法定分類は、感染症法と国際連合危険物輸送勧告である。感染症法では、生物テロに使用されるおそれのある病原体等であって、国民の生命及び健康に影響を与えるおそれがある感染症の病原体等が「特定病原体等」に指定されている

[1] 。

感染症法によるテロ対策用分類(特定病原体等)

種別 定義[19]

一種病原体等

国民の生命及び健康に極めて重大な影響を与えるおそれがある病原体等。特定一種病原体等を除き、一切の所持が禁じられる。

特定一種病原体等

試験研究が必要な一種病原体等として政令[20]で定めるもの

二種病原体等 国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある病原体等

三種病原体等 国民の生命及び健康に影響を与えるおそれがある病原体等

四種病原体等 国民の健康に影響を与えるおそれがある病原体等

輸送にあっては、上記特定病原体等のほか、国際連合危険物輸送勧告(国連、2007年)に定められた「病毒を移しやすい物質」を輸送する際は、

危険物船舶運送及び貯蔵規則・航空法施行規則に従って包装・輸送しなければならない。

国連(2007年)による輸送用分類

培養物 患者検体

生物学的

製剤・製品

医療廃棄物

または

臨床廃棄物

遺伝子組換え

生物等

人体に

A種病毒[21]を

うつしやすい

UN2814

UN2814

・UN3245

人体以外の動物に

A種病毒を

うつしやすい

UN2900

UN2900

・UN3245

B種病毒[21]を

うつしやすい

UN3373 UN3291

UN3373

(UN3291)

・UN3245

A・B種非該当

病毒または不含






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