表紙を開く前に 帯の文字が目に入ります
「なんと日本の家族の80%が機能不全‼︎ 何が原因なのか」…

1999年第1刷です 14年前 それで80%?…では今は?と聞きたくなります
もともと日本人は依存性が強い国民性だと言われています
DMS国際診断基準では依存性パーソナリティ障害の項目には
日本人を除く とされているとかいないとか
それほど強い依存性を持っているということです

日本から逃げ帰ったアメリカ人の話から始まります

筆者「子どもの育て方がおかしいのは、日本だけじゃないと思いますけど」
米国人「…ただ大きな違いは、アメリカでは問題があったとき、私たちでなんとかしようと働きかけができることです…同じような意見を持った人たちと協力して、問題に正面から対処しようとします。
でも、日本では『くさいものにはフタをしろ』で、事実を見ようとしない、あるいは見て見ぬふりをする。しかも、それをまわりの人にも要求するんです。
そして、子どもにも、個性をつぶして、他人の顔色をうかがいながら生きるよう教えて育てます…
こんな社会で自分の子どもを育てたら、自分本位のナルシストか、他人のことばかり気にして自分を見失う共依存の人間をつくりあげてしまいそうです…」

こうして物語は始まります
愛情溢れる中にも ACからの解放を強く願う 毅然とした著者の態度が読み取れる好著


$ACと共依存のピアカウンセリング
免疫をつける これもACにとっては難しいこと

人は行き詰まった時 失敗した時に 自分をコントロールし 解決法を探します
気分や感情のコントロールだけでなく 行動のコントロールもします
何が悪かったのかを分析し 今度はそうならないようにします

ACは失敗の体験から学ぶことが苦手なようです
失敗したことそのものに打ち拉がれ 解決策を探すこともなくその場からいなくなる
今までのことをすべてなかったことにして終わらせようとします

スタート地点で いくつものルートを想定することをしないまま スタートしてしまいます
行き詰まりそうな時 失敗しそうな時に軌道修正できるよう
できるだけたくさんのルートを考えておくことが必要です

こうしてみて これがダメだったら この方法で それがダメだったら次の方法で
これをできるだけたくさん用意しておくのです

それでも行き詰まり 失敗してしまうことはあります
失敗から学ぶことが ACに免疫をつける最良の方法かもしれません
そこで終わりにしないで 諦めないで 何度でも違う方法でやってみればいいのです

一度きりの人生です 自分だけの人生です
ダメ元でやってみればいいのです 
後悔を残すより 最後までやってみて 本当にダメなら諦めればいいのです

大切なのは失敗を恐れないこと
失敗しただけで自分を嫌悪しないこと です
自分への愛だけは失わないで


$ACと共依存のピアカウンセリング
ACは自分の未来を予想することがなかなかできません
人生設計 短期から中長期まで 予定する 計画する というのが苦手

自分の人生の時間の多くを 親に奪われていたからでしょう
自分の足で歩く訓練が足りなかったのでしょう
自分の内側に問いかけ 何をしたいのか どうなりたいのかイメージすることができません

時間の感覚も希薄です 
自分はいつまでも子どものままでいられる 若いままでいられると思っています
無意識に代わりたくない自分がいるので このこと自体には不満はないのですが
気がつけば時間だけが過ぎ去り 自分はあの頃のまま 何も変わらないことに慌てます

周りの人たちはどんどん自己実現を果たしているように見えて
それができていない自分を嫌悪してしまうのです
これが一番の問題
人と自分を比べない 人は人 自分は自分 を唱えましょう

自分の未来予想図を作るトレーニングをします
「なりたい自分」をっかりイメージします
紙に書いて貼り出しておくのもいいでしょう
この年齢(年代)になったら こんな場所に住んでこんなものを食べて・・・と
できるだけ細かく詳しく できるだけ具体的にイメージします

そのために今日は何をしよう 明日は何を 組み立てていきます
漠然としたイメージではなく リアルなイメージで

千里の道も一歩から です



$ACと共依存のピアカウンセリング
愛するって何? とカウンセラーに聞いたことがあります
それまでは愛するという言葉も分からなかったのです
言ったことも言われたこともなかったのですから

私がいる 貴方がいる 私は貴方が好き

と教えてくれました 驚きでした こんなにシンプルだったのですから
私は貴方が好き の中には それ以上の意味はありません ただ 好き という感情だけ

ACの育ちの中では 愛という言葉にはもっとたくさんの意味があると 
しかもそれは言葉にならないものだと 言葉にする必要もないと思い込んでいました
それは間違いでした

ACの「好き」「愛してる」は どうやら感情ではないようなのです
独占 支配 嫉妬 性欲 といった欲求のようなのです
一緒にいたい 自分だけのものにしたい セックスしたい などの欲求が とても強いのです
「好き」という感情を自覚できないのです 自覚するのは最初の一瞬で あとは欲求の塊です
感情を自覚することができずに 欲求を満たそうとします
それが愛することだと勘違いしているのです

感情と欲求を分けて考えることがとても難しいのです
感情という形のないものを信じることが不安なのです 体験がないのです
愛されている安心感 という体験がない悲しさです

欲求を満たすことが優先され そのために行動します 即物的です
そういう育ちをしたのです
感情を感じる そして言語化することができない結末です

喜怒哀楽の感情をしっかり感じること それを言葉にすること それ絵を相手に伝え 相手からもそれをもらう
が 何よりのトレーニングです


$ACと共依存のピアカウンセリング
疾病利得 という言葉があります

実はこの言葉をカウンセリング(というより相談の)場で口にして
相手に激しく拒否されたことがあります
この言葉自体は普通に使われるもので 
この言葉に問題がある訳でもありません
激しく拒否する本人に問題があるのですが

病気をすることで看病してもらえる 構ってもらえる 甘えられる
この甘い快感を得たくて ことあるごとに病気を繰り返す熱を出す おなかが痛くなる 頭が痛くなる
具体的にはこんな状態です

幼児期の子どもにはよく見られます
ACもこの傾向があります
十分な愛情をもらっていないのですから 当たり前の話です
このこと自体が悪いことなのではありません
ただこれが過剰だと 普段の生活や他者とのコミュニケーションに支障をきたしてしまいます

誰かに甘えたい これは誰にでもあること 
そんな時は甘えたい相手にそれを言葉にして伝えればいいのです そして甘える
もちろん相手は家族でも親戚でもない赤の他人ですから 甘え方というのはわきまえる必要があります
これが少しずつでもできるようになると 他者への「自分の見せ方」が実感できるでしょう

飾らない ありのままの自分でいる そのままで相手に甘える
人としての成熟です


$ACと共依存のピアカウンセリング
ACと共依存
こんな不幸な悲しい嗜癖にも拘らず
なかなかこれと決別できないのです なぜでしょう

自分の人生なのに 今まで親という他者にそれを預けてしまっていたので
自分という個の感覚 自分の人生観がありません 自分がないのです

この世でたった一人の 他の誰でもない かけがえのない私 という感覚がない

長い間共依存の環境にいるので わざわざそこから自立して新しい環境で苦労したくない
慣れ親しんだ感覚を捨てずに少しだけ我慢すれば このまま生きていける
親の支配やコントロールを受け入れる代わりに 自分も親にそうしているので まあいいか と
これは必ずしも顕在化した意識ではなく むしろ潜在意識の中で無意識に判断されるようです

自立を奪われて育ったので 自分の足で歩くという感覚が育っていません
依存が残っているために 他者を頼りにします
失敗しながらも歩く訓練をして 転びながらでもその能力を獲得していこうという欲求さえ奪われているのです
自分は自分が変えていく という希望が持てません

親子の共依存がお互いにとって「快」であれば問題ありませんが
どちらかが「不快」「不全」を感じるのなら これを手放す方がいいでしょう

「我慢」や「諦め」を「喜び」や「希望」に変えるにはどうしたらいいのでしょうか

この世でたった一人の 他の誰でもない かけがえのない私 という感覚を まず持つことでしょう
自我の意識 今ここにこうして存在している自分 を感じる
それを感じたら その自分をたっぷり愛することでしょう
AC共依存から離れられないでいる自分を悲しむこともありません
そんな自分も含めて丸ごと自分を愛するのです

ACに何よりも足りないのは 自分への愛ですから


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ACの生育環境は 親からの過保護と過干渉でした
子は自立と自律を奪われ 支配とコントロールで育ちました

愛された実感も安心感もないまま
親の下で 自分の人生を奪われながら生きてきました

親は決して「愛してるよ」「あなたが大好きよ」の言葉を言いません
「あなたのことは一生懸命育てた」「あなたを育てるのは大変だった」「お金がかかってる」「育ててもらってありがたく思え」などがその代わりです

子どもが心を閉ざして 感情に蓋をして 距離を置いてしまうのは当然のことでしょう 
自分はここに生まれて来て 歓迎されていない と受け止めるのは当然でしょう
愛してもらっていない と感じるのは仕方のないことでしょう

それでいて必要以上の 先回りの世話焼き 無言のメッセージ 過保護と過干渉
親が「愛」だと思い込んで 子どもに注いでいたものは 支配とコントロール
もちろん子もそれを愛情だと受け入れるのですが

子は成長する過程で こんな自分の生育歴に不全感を持つようになります
他の子とは違うからです コミュニケーションが上手く取れないのです

たっぷり「愛してるよ」「大好きよ」の言葉をもらって
歓迎と安心の中で育った子とは かなり違います


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親からもらったものを捨てる という話をしました

親からもらったコミュニケーションパターン
恨み悲しみ憎しみなどの負の感情 
嫉妬や独占欲 支配欲 すがりつき 見捨てられ不安
過剰な思い込み 人の言うことを聞かない頑固さ

それをすべて捨ててしまうと ほとんど何も残らない というほど軽くなります
今まで心の中はいっぱいいっぱいで 他のことを受け入れる余裕などなかったのですが
これでようやく 新しいことを自分の中に取り込むことができるのです

今度は親からもらえなかったものを探します
あの時 自分はいったい何が欲しかったのか どんなものが欲しかったのか
それはモノでしょうか

ACが親からもらえなかったもの 

言葉にしてみると こんなものかもしれません
愛してるよ 大好きよ 大切だよ 生まれて来てくれてありがとう
幸せ 嬉しい 歓迎 安心 満足
もっとたくさんあるでしょう
(こうして見てみると ポジティブな言葉だけをもらっていなかったことに気づきます)

言って欲しくても言ってもらえなかったこんな言葉を
今度は自分で 自分に向けて言うのです
そのままの言葉を 自分に向けて

温かい感情を ここでたっぷり感じます
欲しかった言葉をすべて 自分にかけてあげます

悲しい 寂しい 苦しい感情は だいぶ癒されるでしょう

過保護と過干渉で育ったACが欲しかったのは
モノや支配やコントロールではなく
こんな温かい愛の言葉だったのです


$ACと共依存のピアカウンセリング
ACが親からもらったものには
子どもが生きていく上でとても邪魔になるもの 障害となるもの
捨てる方がいい というものがたくさんあります

大きなものは他者とのコミュニケーションの取り方
他者との距離の取り方が分からない
ちょっとしたことで距離を詰めて 過剰な場合は相手の中にまで入り込む 
すがりつき 見捨てられ不安
そしてちょっとでも自分の思いと違うと その関係を遮断する 相手を恨む 憎む

すべての原因は感情を言葉にしないことの結果
親から学んだコミュニケーションパターン

これをすべて 捨てることが必要です
大事に取っておく必要など 全くありません
捨てられないために コミュニケーションの不全は長く続くのです

非言語のコミュニケーションはすべてやめてみましょう
感情のすべて 欲求のすべてを言葉にする
何か言いたそうな表情や仕草 目つき ため息 こんな 親からもらったもの
「言わなくても察して欲しい」メッセージをやめましょう

自分以外の人間には 言葉以外の表現は通じないと覚悟しましょう
家族でも親戚でもないのです 例えそうであっても
言葉以外を通じさせることはやめましょう
あなたの世代で 親と同じ連鎖を止めましょう
子は自分が育ったように自分の子を育てます
この世代間連鎖を止めましょう

「愛をもらえなかった」代わりに 
とても厄介なものをもらったのです


$ACと共依存のピアカウンセリング
引きこもりやニート
外の世界に出て行くという心の余裕がないまま
自分の内側の問題が解決しないまま 時間だけが虚しく流れている人たち
そして 自分の内側に不全感を抱えながらも その感情を抑え込み
引きこもることもニートになることもなく 社会に溶け込もうとする人たち

AC・共依存という大きな問題が解決しない限り 苦しい時間は過ぎていきます

親が健康なうちはまだ依存できます 親からの依存を受け入れることもできます
普通なら親が先に死んでいくものです 親が財産を残してくれるのなら まだ安心です
やがてそれもわずかになると 自分でどうしていいのか分からなくなる 行き詰まってしまうのです

もちろんその育ちは親からもらったもの 責められるべきは親
そのせいで自分を責める必要は全くありません
でも過ぎていったのは紛れもなく自分の人生の時間 でした
時間だけは親に返せと言っても 帰っては来ません

このような悲劇と大きな後悔を残さないためにも
なるべく早めの対処をする方がいいと思っています

親が亡くなれば 子は自立するのですが
それまで待って 大切な自分の人生の時間を無駄にしてしまうのは忍びないのです
子は親への愛着を手放して できるだけ早く自分の人生の時間を取り戻して欲しい
自分を大切に生きて欲しいと 心から思います


$ACと共依存のピアカウンセリング