世の中には
人生に不満のある人がたくさんいることでしょう


それは子供に手を焼く母親かもしれないし
夫を持てあます妻かもしれない

そんな人達は
きっと手の届かないバラ色の夢を描いているのでしょうね


だけどちょっと考えてみてごらんなさい

私がこれからお話しするようなことを


私はジョージアもカリフォルニアも
心休まる場所を求めていろいろなところをまわったの


心優しい男と出会って
恋をしたこともあった

だけど結局はいつも
恋しい土地や恋しい人々を後にして
去っていくの


何故って
いつも自由でいたかったから

幸福を味わってはみても

結局私には自分が本当は何を望んでいるのかが分からなかったんだもの



ねぇお願い
もう少し
私の話を聞いて欲しいの


私が今でも孤独な理由を


あなたを見てるいると
私と同じ悩みを持っている女じゃないかって気がするの


あなたもきっと
偽りを繰り返してきた心を癒したいのではないかしら



ニースやギリシャの島で
ヨットに乗りながらシャンペンを楽しんだ日々もあった

モンテカルロでは
ジーン・ハーローみたいに
華やかに振る舞ったし

他の女では
とても体験できないような
誘惑もあったわ


でもそんな幸福を味わってはみても


結局私には自分が本当は何を望んでいるのかが分からなかったの



ねぇ考えてみて
幸福って何かしら?

幸福なんて本当は嘘
人間が創りあげた幻想よ

私達が毎日出会う現実は

腕の中で眠る赤ん坊の顔や
けんかと仲直りを繰り返している恋人の顔


それが人間の現実なのよ


それが生きていくっていうこと



時々未来の子供のことを思って
憂いに涙することもあるのよ

間違っていたのかもしれないけれど
私は心地よい人生を選んだつもりだった


だけど自分に素直に生きるってことが
こんなに難しいことだとは知らなかったわ

世の中の汚ない部分も経験したけれど

どうしても自由にはなれなかった


この上ないような幸福を味わっても

結局私には自分が本当は何を望んでいるのか分からなかったの


幸福を味わっても
自分が本当は何を望んでいるのか分からなかったの


ジョージアにもカリフォルニアにも

心の安らぎを求めて旅したわ


でも幸福を味わってはみても


結局自分がわからなくなるの


それでも心の自由は得られなかったのよ。








晴れた空が
突然雲に覆われるように


時々僕の心は憂鬱になる


恋人がいない時も
恋人がいる時でも

独身でいる時も
結婚した後でも


それは変わらない



子供の頃は悲しい事があっても
人前で泣くのが嫌いだった

泣きそうになっても
決して人前で涙を見せず

家に帰ってから押し入れに入って泣くような子供だった


布団に入って昼間の事を思い出しては
泣きながら
いつもそのまま寝てしまうような子供だった



結局
大人になってもそんな僕の本質は変わらない

本当に悲しい事は誰にも話さない

本当に辛い事は一人でしまい込んで

堪えきれなくなると自分の中で
いろいろなものに形を変えて

消化するのだ



親友がいても
本当に奥の奥の事は話せない



自分には根本的に愛が欠けているのかもしれないと時々思う

自分にはみんなが当たり前に持っているものが
欠けているのかもしれないとも思う



僕が欲しいものは何なのか


しかし
僕が望むものなど
結局は存在しないものなのかもしれない


人間とは結局
どこかの部分で孤独なのだという事も分かっている


でも僕は生きていかなければならない


自分の中のジグソーパズルが完成しないと分かっていても

不完全なままでも



人生にそんな思いを抱いて生きていく事は
特別に不幸な事ではない



とにかく
命がある限り
すべての生命は
その命をまっとうしなければならないのだから



変わりやすい天気のように
すぐに元気になれるから


今日も自分のできる事を
できるだけやっていこう



僕はそんなふうにしか生きられない







虹を見て考えたよ



虹って本当は

いつもそこにあるのかもしれない

って




目に見えるのは


雨上がりの時だけだけど



本当は

いつもそこにあるのかも知れない



ほら


よく言うだろ


本当に大切なものは

目に見えないってさ




僕達のあいだも


同じかな