あぁ 思い出してほしい


ふたりが恋人同士だった幸福な日々を
あの頃
人生はもっと美しくて
太陽も今より強く輝いていた



枯葉が掃き集められてゆく



ね 私は忘れない


枯葉が掃き集められゆく
思い出や後悔も一緒に…



そして北風が
運んで行く
忘却の冷たい夜の中へと



ね 私は忘れない


あなたが私に歌ってくれたあの歌を


それは
私たちふたりに似た歌


あなたは私を愛し
私はあなたを愛した

ふたりは
いっしょに生きていた

私を愛したあなたと
あなたを愛した私




けれど人生は
愛し合う者を引き離す

静かに
音も立てずに

そして海は
砂の上に残された
結ばれぬ恋人たちの足跡を消す




落ち葉が窓の外を舞っている
赤色と金色の落ち葉が

わたしはあなたの唇と
夏に交わした口づけ
日に焼けた手の感触を
思い出す




あなたが去ってから日が長くなり
まもなく古い冬の歌が聞こえ始めるだろう

けれども落ち葉の季節になるたびに



あなたのことが恋しくなる








女は言った

「あなたは三葉虫の生まれかわりよ」


「ほぅ…」

僕は少し目眩を感じながら目の前の水割りを飲み干した



「つまり…僕は…虫っぽさが残っているんだね」



女は長い髪をかき上げながら言った

「違うわ あなたの先祖は三葉虫だったの。そう言っただけよ」



「なるほど 僕の先祖は三葉虫だった訳だ。それなら君のご先祖は何だったのかな?」



「わたしの先祖はマンモスだったの」

女は目を輝かせて
うれしそうに
そう言った



「あぁ それじゃあもしかしたら僕の先祖は君の先祖に食べられてしまったのかもしれないね」

僕は額の汗をハンカチで拭きながらそう言った



「とんでもない!食べたりなんかしないわ」

女は微笑んだ




「それを聞いて安心したよ」

僕は少しホッとして
微笑み返した




すると
女は満面の笑みを浮かべて言った


「マンモスは虫なんか食べないわ。

踏み潰して歩くのよ!」







僕の名前を覚えていてくれるだろうか
もし天国で君に会えたなら


何も変わらずにいてくれるだろうか
もし天国で君に会えたなら


僕は強くなって生きていかなければならない


なぜなら僕は
天国にふさわしくない人間だから


僕の手を握ってくれるだろうか
もし天国で君に会えたなら


僕を支えてくれるだろうか
もし天国で君に会えたなら


いつの日か
自分の生きる道を見つけるよ


なぜなら僕は天国にいられない人間だから


時が君を滅入らせて
くじけてしまうこともあるだろう


時が君の心を打ち砕き
助けを求めることもあるだろう


でも扉の向こうには
きっと安らぎが待っているはず


天国ではこれ以上
涙を流さなくていいんだから


僕の名前を覚えていてくれるだろうか
もし天国で君に会えたなら


何も変わらずにいてくれるだろうか
もし天国で君に会えたなら


僕は強くなって
生きていかなければならない


なぜなら僕は天国にふさわしくない人間だから