友人が
「仕事で行けなくなってしまったので
他の人を誘って行って来て~」ということで
バレエ通のお知り合いに声を掛けて
「rencontre Jose MARTINEZ=ジョゼ・マルティネス親睦会」
なるものへ行って来ました
知らなかったのですが
「Opera Bastille」の一角に
「Studio Bastille」という
100人くらいが入ることの出来る
小さな舞台があったのでした
Jose MARTINEZは
パリオペラ座の振付家でエトワール
1969年スペイン生まれで
1987年に19歳でパリ・オペラ座バレエ学校に入学、
その翌年パリ・オペラ座バレエ団に入団。
90年にはスジェに昇格。
97年「ラ・シルフィード」公演でジェームズを踊った後、
エトワールに任命されたとのことです。
Opera National de Paris=パリ国立オペラ
について少し解説をしますと...
OPera National de Paris:
世界最古のバレエ団。
1661年王立舞踏アカデミーとして創設。
バレエダンサーの技術によって
ダンサーの階級があり
最上級がエトワール
次いで、プルミエ・ダンスール(女性の場合はプルミエール・ダンスーズ)
スジェ
コリフェ
カドリーユ
となります
オペラ座エトワールの定員は
だいたい、16-18人で
もともと、男性エトワールの定年は
40歳だったのですが
あの、マニュエル・ルグリ様の時に
特例で、45歳に引き上げられたそうです。
ジョゼ・マルティネスは現在42歳で
7月15日の「Les Enfants du Paradis=天井桟敷の人々」の公演で
引退するとのことで
男性バレエダンサーの定年は何歳なのかわかりませんが...
今回、このマルティネスの引退公演を前に
親睦会座談会が
開催されたのでした。
写真左は
1995年からパリオペラ座のmetre de ballet=バレエ舞台監督の
Brigitte Lefèvre女史、
真ん中に Jose Martinezを挟み
右がジャーナリストの男性ということでした
ジャーナリストの彼は
数分遅れて舞台に上がりましたが...
こんなアバウトな流れが
なんだかフランスっぽい感じでした
マルティネス本人は
とても上品で知的な雰囲気で
想像通り、とても素敵でした
2008年に
エトワールであるマルティネスが初めて
振り付け、演出を担当した
「Les Enfants du Paradis」=「邦題:天井桟敷の人々」は
第二次世界大戦中、ヴィシー政権下のフランスで製作された映画で
各国の映画評論家から高い評価を受けると同時に
フランス映画史に名を残す
マルセル・カルネ監督の映画ということです。
この映画を基に
マルティネスがバレエ公演として
舞台演出、振り付けを担当して完成したのが
バレエ「Les Enfants du Paradis」なのだそうです。
YouTube動画で少し垣間見た
古の映画は
白黒映画なのにはっきりと脳裏に焼きつく
フランス文化の色濃い
独特の世界観でした
親睦会の内容は
映画からバレエの舞台に演出する際に
なにに重点を置いたのか、や
なにに苦労したか、などなど
極めて専門的な話が多く
周りにいる人達の中には
メモを取っている人もいて...
私は、間違って参加してしまった感が否めない感じで...
女性でオペラ座バレエ団の舞台監督なんてすごいな~
こういう雰囲気の人なんだ~
とか
マルティネス、笑顔が素敵~
とか、ヨコシマなことを考えながら
専門的な話を
左から右に聞いていたのでした
最後に
質問の時間になり
舞台監督のBrigitte女史が
「このような雰囲気の中で、
質問というのもなかなか勇気がいると思いますが
どうぞご遠慮なく質問して下さい」
との問いかけに
一番に手を挙げたのはなんと
日本人女性
年配の日本人女性は、流暢なフランス語で
「今回、あなた(Martinez)を観るために、日本からパリに来ました」
(一同拍手)
「日本では Les Enfants du Paradisというタイトルは
翻訳されると、天井桟敷の人々、つまり、歌舞伎公演などで、お金がない人達が
上のほうで舞台を観る場所を天井桟敷といい
舞台を観る人達のことを指しています。
(注:実際のフランス語の直訳は、楽園の子供達、となります。)
フランスのタイトルと、日本のタイトルは
立場が違うということを
この場で説明させて頂きたかったのですが、
そのことをご存知でしたか」
と、にこやかに話されました。
ほ~、言われてみればそうですね。
開いた口がふさがりませんでした。
彼女はしっかり
日本という国を
この親睦会の中でアピールしていて
素敵でした。
「Les Enfant du Paradis 楽園の子供達とは
あなたのことですね、Martinez
7月15日の公演を楽しみにしています」
(一同拍手)
他には
フランス人女性が
「質問ではないのですが、
公演の途中の
○○の演出が、個人的にとても好きです
C'est vraiment manifique」
と、演出を称えたりして
1時間ほどの親睦会は
和やかに過ぎていきました
チケットにサインをもらい
Martinezと話す友人さん
国立オペラバレエ団を引退後は
スペインにて演技指導や舞台演出を手掛けるそうです
英語でよく言う
「Happy Retirement」
という言葉が
思い浮かびました