2002年01月30日(水) 晴れ
 夜、アバウトパパがチエとシンの柔道の稽
古を見学しに、道場へ行きました。
 
一礼して道場に入って辺りを見回すと、い
つもは柔道着を着て子供たちに柔道を教えて
くださっている父兄のKさんが、私服のまま
道場の隅にポツンと座っていました。

パパは「今日はどうしたんですか?」と
Kさんに歩み寄っていきました。

 するとKさん、少し苦笑いを浮かべて
「もう引退や」と、パパに答えたのです。

「あら、また何でですか?」とパパ。

「いやな・・息子がいやがるねん」

「あぁそうですか。・・まあね、僕も親父が少
年野球の監督してましたから、その気持ち
はよう分かりますわ。確かに嫌なもんでした」

「あぁそう・・。嫌なもんかいな」

「はい、嫌でしたね」

「・・・まぁそれだけと違うねんけどな・・」

「・・・と言いますと?」

「ここの父兄同士に派閥があってな、色々と
うるさいねん😞」

「は・・派閥!?そんなんがあるんですか?」

「そうや。あんたなんかは割りと誰とでも仲
良うしとるみたいやけど、中には親同士グル
ープ作っていがみ合ったりしてるみたいやで」
 
パパはそれを聞いて、しばらく開いた口が
ふさがらなかった。するとKさん、

「呆れるやろ?」

「はい・・・」

「例えば、ある一方の派閥の子を『この子、
やる気があるな』と思って集中的に稽古つけ
てやったりするやろ。ほなもう一方の派閥の
親が『あの子ばっかり・・』とか言うて文句
言う訳や。もちろん、その逆もあって、この
前まで好意的に笑顔で挨拶とかしてくれとっ
たのに手の平返したように俺の顔見ても知ら
んふりしたりするんや。『何でかな?』と思
とったら、そんな訳があったみたいやな」

「・・・アホみたいな話ですね」

「ほんま、アホみたいな話やろ。しょ~もな
い。そんなんもあってアホらしなってな」

「そらアホらしなるの分かりますわ。Kさん
は先生一人やったら大変やろ思って、好意で
やってるだけのことですのにね。別に『誰の
子やから・・・』とか思ってやってる訳やな
いですのにね。そんなん傍(はた)から見と
って分からんのかいな・・・」

「・・まぁそういう人らには分からんのやろ
う。『自分の子、自分の子』としか目に入ら
んのやろう。…まぁとにかく今は親がでしゃ
ばりすぎや」

「そうですね。親が暇なんか知らんけど、ち
ょっと何から何までやりすぎてますよね。柔
道だけに限らず・・・」

「そうやな。もうちょっと子供に、自分で考
えてやるようにもっていかななあかんな・・」

「そうですよ。所詮親がヤイヤイ言うた所で、
やるのは子供ですからね。放っておいても
やる子はやるし、やらん子はやらん」

「その通りや。・・・まぁしばらくは外から
見るわ」

「はい・・またそのうち、うちの2人もしご
いてやってくださいね」

「5年生になったらビシビシしごくわ。うち
の坊主も一緒に全国大会に出てもらわなあか
んからな」

「そうですね・・その時はよろしくお願いし
ます」

 パパはKさんとそんな会話をしながら、K
さんが『今でもすぐに畳に上がって、子供達
に教えてあげたい』という衝動を必死で抑え
ているのに気付き、同じ父兄として申し訳な
いという気持ちでいっぱいになりました…。