2002年02月11日(月) 晴れ一時吹雪

 今日は『兵庫グランプリ』という兵庫県最
大の柔道イベントがグリーンアリーナであり
ました。

チエやシンが通っている道場も小学生の部
で出場するので、アバウト一家も家族総出で
応援に行きました。

 優勝すれば5月4日に東京の講道館で行わ
れる全国大会に出場できるとあって、選手に
選ばれた子のお父さんお母さんに訊きますと、
「前の晩は寝られへん」と言います。
それほどプレッシャーのかかるもののよう
です。

ましてや去年は優勝していて、連覇のかかる
今回。相当な重圧でしょう。

 さて、そのコダマ会、先鋒ユタカ(4年)
次鋒ジン(4年)中堅ナッちゃん(5年)副
将ユーヘイ(5年)大将カズ(5年)という
最強メンバーでのぞみ、2回戦、3回戦、準
々決勝と順当に勝ち上がり、準決勝の強敵テ
ンザキ道場にも4-0と圧勝し、いよいよ決
勝戦に挑むこととなりました。
 
「よし、決勝の前に一服や」とパパが立ち上
がって周りを見渡すと、リョウくんはいたの
ですが、ケンケンの姿が見当たりません。
 
「おっかしいなぁ・・」と首を捻りながらス
タンドを一周してケンケンを捜してみたので
すが、なかなか見当たりませんでした。

 そうこうしている内に決勝戦が始まりそう
になったので、ケンケン捜しは後回しにして
応援に集中することにしました。
パパとシンはスタンドから、中堅ナッちゃ
んのおじいちゃんと一緒に応援です。

リョウくんはパパに、「ケンケン捜してき
て」と言われて、流浪の旅に出ました。


 さあ決勝戦。先鋒ユタカは右手の小指の
靭帯を伸ばしたか何かで、テーピングも痛々
しい姿で懸命に戦いました。そんな状態で
よく戦ったのですが、一度場外注意を取られ
た為に惜しく優勢負け。

 でも続く次鋒、コダマ会の「スタン・ハン
セン」ジンが豪快な払い腰で相手を秒殺、見
事な一本勝ちで、すぐさま1-1のタイに持
ち込むと、中堅のナッちゃんの出番となりま
した。

 ナッちゃんはアバウト家とは近所で、チエ
とシンとは保育園時代からの先輩後輩にあた
り、そしてアバウト家を柔道に引きずり込ん
だ張本人です。

 そのナッちゃんが引き分けて、勝負はいよ
いよ1ー1のまま大詰、副将のユーヘイの登
場です。コダマ会の新キャプテンのユーヘイ
は、いつも熱い戦いを見せてくれて、最も信
頼できる選手です。

「ユーヘイやから、大丈夫!」

と誰もが思っていました。
 
彼はやっぱりそのとおりにみんなの期待に
応え、一瞬の隙を見逃さずに見事な寝技で一
本勝ちをおさめ、その瞬間コダマ会の優勝が
決定したのです。
 

「やった~!!」

喜びに沸くコダマ会応援団。一頻り喜びを
爆発させ、

「来年はシンとチエで、一緒に東京に行きま
しょうね!」

などと、メンバーの父兄にプレッシャーを掛
けられ、「いやぁ・・・」などと困りながら
、パパはその場をそっと離れ、ケンケンを捜
しにようやく出掛けました。
 
(ケンケンはどこや?)

とスタンドをキョロキョロしながら一周して
くると、リョウくんが戻ってきていて、「ケ
ンケン、おったで」と言うので案内してもら
うと、思いもよらなかった3階席の奥まった
所にリョウくんくらい(5歳)のガラの悪そ
うなガキ3人と戯れておりました

(ガラ悪にかけてはケンケンも全然ヒケをとっ
ていない)。
 
「ケンケン!」と近づいてみると、3人のガ
キの内2人が泣いているではありませんか。

泣いてない一人の子がパパに、

「この子が泣かしてん!」

とケンケンを指差して訴えました。

パパは、(あちゃー!)と思いながら、

「ごめんな、ごめんな」

とその子たちに言いながら、

(ガラの悪いガキの親はガラ悪いに違いない
・・・ヤバイ!)

とケンケンを小脇にかついで、「リョウ、行
くぞ!」と、そそくさとその場から離れまし
た。
 そしてパパは、重たいケンケンをかついで
逃げながら、

(ゴンタの全国大会があったらなぁ、自信持って、こいつを出せるのに…)

と真剣に思いました。