シミュレーションゲーム「The Sims4」で、エドワード・ホッパーの絵画に出てくる家を作ってみました。
前回、ゴッホの黄色い家を作って楽しかったので、またやってみた😋
エドワード・ホッパー《ナイトホークス》1942 Image: Wikimedia Commons
アメリカの都市生活や郊外の風景などを、独特の寂寥感をもって描いたホッパー。
傑作《ナイトホークス》などが最もよく知られますが、今回作ってみたのは初期の代表作《線路脇の家》です。
*ざっくり「線路脇の家」*
エドワード・ホッパー《線路わきの家》1925
画面を横切る線路の向こうに、ぽつんと立つ家。
書き割りのような作り物感がする建物は、土台部分も見えず、人の気配もなく…どこか奇妙。
これとか一向に謎。この影は何?
ミステリアスな気配がするホッパーのアメリカ。
1925年に描かれた本作は、遅咲きだった画家の評価が高まりつつある中、その後のホッパースタイルを決定づけた一枚となった。
Image: Wikimedia Commons
…というホッパーの家を、弱小スペックで再現です。じゃん。
線路がないので、高架道路沿いに建てました。
絵では見えない土台部分や右半分は、想像で作りました。
間取りや内装も想像で、ホッパーの絵画風にしてみました。
住人はホッパーと妻ジョセフィーンです。
ホッパーの室内は、印象的な色使い、平面的で殺風景なイメージ。頑張って寄せてみた!
作ってみると、改めてホッパーの色使いオシャレだなーと思います。
エドワード・ホッパー《ニューヨークの部屋》1932 Image: Wikimedia Commons
エドワード・ホッパー《Western Motel》1957 Image: WikiArt
リビング&ダイニング。
体力作りに余念がないホッパーさん。
寝室。
逆側から。
バスルーム。入浴中のホッパー、モザイク入り。
間取りはこんな感じ。1階。
キッチンとリビング&ダイニング、奥に小さなアトリエがあります。
このアトリエは、引っ越してきた夫妻が物置小屋を改造した設定。
2階の間取り。
寝室と書斎、バスルームがあります。
屋根裏。
屋根裏にしまってある過去の作品を見るホッパー。
印象派に影響を受け、本当はヨーロッパ的なものを描きたかったが、「アメリカ的なもの」を求める時代の流れに舵を切ったホッパー。
かつて、アメリカ的じゃなかった為に自信作が酷評されたことに傷つき、以後その作品は誰にも見せずに保管しておいた…というエピソードから、こんな屋根裏にしてみました。
そこへやってきた妻ジョー。
「ねえトイレが詰まっちゃったの!ちょっと行って見てくれない?あと庭に可愛い野良猫が来てるわよ!リスもいるから!パンダもいたかも!」
やたらとホッパーに下へ降りるよう急き立てる。
札束入りのカバン、その奥には金の延べ棒。
かなりへそくってるジョー。
もちろんそんな逸話はございません。フィクションです。
けれど絵のモデル、そして敏腕マネージャーとしてホッパーの成功に多大な貢献をしたジョーさん、彼女自身もまた有望な画家だったのは本当でした。
***
ちなみに、ヒッチコックの映画『サイコ』に登場する家は、この絵をモデルにしているそうですね
私は怖い映画ダメで見たことないのですが、画像検索すると確かに似た雰囲気!
Image Credit: Diego Delso, delso.photo, via Wikimedia Commons License CC-BY-SA
《線路脇の家》はニューヨーク州ヘイバーストローに実在、ストリートビューでも確認できました。
セカンド・エンパイア様式ビクトリア朝の木造邸宅。
ホッパーが描いた当時は既にモダン建築が主流で、これらは郊外によく見られるひと昔前の建築だったそう。
遊びついでに改めて作品をじっくり見たり、気になったことを調べたりして楽しかったですもいもい
参考:Gigazine, Artmajeur, ほぼ日, BeauxArts
*作ったキッチンがホッパーの別荘のとちょびっと似てた!