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映画『タイタニック』みたことある?
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昨日、4月14日はタイタニックの日とありました。
世界最大にして不沈と謳われた豪華客船タイタニック号は、1912年4月10日、英国サウサンプトン港から米国ニューヨークへ向かう処女航海に出発。
航海半ばの14日深夜、カナダのニューファンドランド沖で氷山に接触、翌15日未明に沈没。
およそ1500人にも上る犠牲者を出す20世紀最大の海難事故となりました。
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ということで、本日は急きょの映画de名画!
映画『タイタニック』('97・米)に登場する名画を書こうと思います。
とても有名な映画で、とても有名な絵画がザクザク出てくることでも有名でございます
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- エドガー・ドガ 《エトワール》c.1878 オルセー美術館
- クロード・モネ 《睡蓮》1905 ボストン美術館
- パブロ・ピカソ《アヴィニヨンの娘たち》1907 ニューヨーク近代美術館
- パブロ・ピカソ《アンブロワーズ・ヴォラールの肖像》1910 プーシキン美術館
これらの名画が登場するのが
こちらのシーン
映画『タイタニック』より
タイタニック号の乗客でヒロイン、上流階級の令嬢ローズが1等客室に持ち込んだ荷物に名画がザクザクです!
ドガガガガ
ピカソソソソ
ちなみに右側は、カーンワイラーの肖像にも見える?ヴォラールもカーンワイラーも、ピカソと関係が深い20世紀初頭の重要な画商。
芸術を愛するローズは、印象派にポスト印象派、そして当時まだ無名だったピカソの前衛絵画にも魅力を見出しています。
一方、お金で価値を判断する婚約者キャルは、「またそんなくだらんモン買って、金の無駄だ。なんとかピカソ?どうせ大物にはならんさ。少なくとも絵は安かったしな」と興味ゼロ。
ピカソの名声が確立したのは1930年代といわれるので、ローズは自身の感性でイチ早く注目していたのですね。
同じくローズの客室の別シーン、ここにはセザンヌらしき静物画が!
ローズと恋に落ちた3等客室のジャックくん。暮らしはギャンブル、夢は画家。
身分の差もなんのその、すっかり恋仲のふたりがキャッキャとお忍びドローイング会を始める場面です。
ポール・セザンヌ《玉ねぎのある静物》1895-1898 オルセー美術館
セザンヌの名声は死後に高まり、劇中当時の1910年代になると価格も高騰し始めています。すごかりしローズの審美眼。
冒頭でもチラ見えしていたモネの睡蓮は、このシーンでもハッキリと登場。
画家の卵のジャックくん、キャルとは対照的に「モネだ!!」と飛びつき夢中です。
移ろいゆく時の中で瞬間の光を捉え、生きた絵画を目指した印象派は、今この時の恋に生きるふたりにもピッタリかもね
そしてこの後、ジャックはローズのヌードを描くのですが…
ローズ「顔が赤いわよ巨匠さん、モネもそんな風に赤面するかしら?」
ジャック「彼は風景画家だから…///」
なんてモネをダシにイチャコラしちゃって、カーッ!カーッ!
んでもってそこには《アヴィニョンの娘たち》もあるのですが、アビニョ通りの娼婦を革新的に描いた本作の前で、あられもない姿のローズが制作費としてジャックの手に硬貨を落とす瞬間も、なんか裏表でイイ。
コルセットをきつく締め上げられながら、破産寸前の一家のために政略結婚を受け入れるよう母親に言いつけられるローズ。
ベストセラーの中野京子著『怖い絵』にもあるように、ドガが描いた当時のバレリーナたちは貴族用の娼婦同然で、貧困から這い上がるため少しでも良いパトロンを見つけるのに必死だったといいます。華やかに見える裏側、お金の鎖に縛られる姿は、ローズの置かれている身と重なるようです。
…などなどでございます。
もちろん、これらのシーンはフィクションで、ここに挙げた名画は今も実在します。っていうか海に沈んでたら今見れないもんね。
劇中の絵をよく見ると、実は現存のものとはどれも微妙に異なるのも面白いですね。
かつてタイタニックと共に失われた、いま名画とされる作品の前身や類似の絵があったかも…なんて妄想もできそう…
おまけ
ちなみに、劇中でジャックが描いている絵はジェームズ・キャメロン監督によるもの。
ジャックが描いているシーンに映っているのも、実は監督自身の手
監督は左利きなので、フィルムを反転させてるんですってさ!
キャメロン監督自身もスケッチを売りながら脚本を書いていた時期があったそうで、ジャックと重なる部分がありますね
ではでは~もいもい
So you wanna go to a real party?;)