91歳の母親は月二回の往診をしてもらっている。
自力で動けないので、仕方がないが。
今日はその往診の日だった。
食欲もあるし、猛暑の影響もほとんど受けず、いたって「健康」だ。
去年のこの時期、腸炎を患い入院したのが嘘のように回復。
夕方、少し日差しが弱くなったので、往診費と薬をもらいに医院にいった。
何時もは患者もなく静かな医院がやけに騒々しい。
「いいから、救急車を呼べ」と大声がしている。
診察室から杖を附きながら高齢の老人が出て来きながら、「救急車を呼べ!」
と叫んでいる。
付き添っている看護師さんが、「今先生が電話してますから」と声をかけるが、「早く呼べ」と言うだけ。
年配の看護師さんが、「かかりつけは、どこの病院?」と聞いている。
「xx病院」
しばらくして、「タクシーで行けませんか?」と聞かれて、「救急車と言よろうが、早うよばんか」と叫ぶ。
受付の事務員の顔が強張る。
「未だ来んのか」とトイレに行った。
結構、元気な爺さんだ。
暫くして、救急車のサイレンが聞こえてきた。
爺さん、「来た」と自分で病院の外に出ていってしまった。
救急隊員が救急口から入ってきたが、患者がいない。
そりゃそうだ、今玄関から外に出たもん。
戻って来た患者に、看護師が勝手に動いたらダメでしょうと言うが、気に止めない爺さん。
救急隊が、爺さんに質問している。
爺さん曰く、夕べから体調が悪いので病院に来たのだそうだ。
どの程度悪いかを聞いている。
元々、心筋梗塞を患っていて、昨日から熱中症の様だと言う。
聞いていて吹きだしそうになった.....。
薬を貰いに薬局に行くと、薬剤師さんが病院に救急車が来たが何かあったのか?と聞くので、顛末をはなしたら。
「小柄で杖を就いているおじいさん?」と聞いてきた。
その人ならイワク因縁のある高齢者の様だ。
病院で医師から「xx病院は主治医の先生は不在で、救急担当の先生が診るけど、それで良いですね」と念押ししていた。
家に帰ってフト思う。
あの病院は、外科と胃腸科だから、心筋梗塞のおじいさんが来ても診察も処置もできないよな。
高齢社会で、認知症患者をマスコミで取り上げているが、こう言う患者の対応に病院も、救急隊も振り回されることが多くなるのだろうかね。