月一回、弟は主治医の診察を受けにクリニックに行く。
行く数日前から、自分の病気は治ったとか、薬は飲まなくても良いと医者が言ったとか、もうクリニックに行かないで済むんだみたいな話を始める。
先月は、それでも渋々行ったが、休診日が変更になっていて、結局、無駄こいた。
翌日、私が3か月ぶりに自分の家に帰るので、母親に言われて、私を駅に送ってそのままクリニックには行った。
今月はどうするかと思っていたら、私に「何時が休診日だったかね?」と聞いてきた。
自分のことだから、その程度のことは解っているのではと思うが、…
仕方がないね。
「明後日が休診日でしょう」と言うと、
「明日じゃないか?」
と言う。
先月のことを話して、「明日なら休診日ではないから行けば」と言っておいた。
翌日、クリニックに行った。
帰って来て少し気分が良いのか陽気になっている、
「どうだったか?」と聞くと、
「何時もと同じだった」と言う。
クリニックに行ったついでに、デパートの地下に行き、珍しいものを買って来たと言う。
カツオの塩辛と豆腐の味噌漬け。
珍しいものを買ったと言うより、衝動買いじゃないかと思う。
夕方、母親が
「今日病院に行ったんでしょう、先生はどうだった?」と聞いた。
「先生が診察中に口から泡を吹いて、救急車で運ばれた。あの病院は、もうやっていけないのではないか」
と言い出した。
そんなことがあったなら、私が聞いたときに何故言わなかったのか?
と思う。
夕食後に母親が、また
「救急車で運ばれた先生は大丈夫かね」
と言うと、
弟は
「誰が救急車で運ばれた?」と聞き返した。
母親が
「アンタをみてくれていた時に、あの先生が救急車で運ばれたと言ったじゃないか」
と言う。
「ああ、デパートに買い物に行ったら、救急車がクリニックの方に行ったので、そうじゃないかと思っただけだ」
と答える。
おいおい、全然話が違うじゃないか?
そうだね、君は「病気」だった。
しかし、いくら「妄想」「幻覚」「幻聴」と言っても、いままでこういう話はしなかったが。
相当に症状が悪化しているのか?
それとも、この程度のことは老化現象と一緒になって頻繁に起こるのか?