最寄駅から路線バスを利用した。
途中のバス停から、10代と20代と思しき男の人が2人乗って来た。
二人は私の前の席に座った。
この人たち、兄弟かな?と思ってみてしまった。
年下の男の子は、障害がある弟に見えたからだが。
その兄貴の方が、弟の上着の襟を直しながら「大丈夫か」と話しかけていた。
弟は口は開かないが、頷いて応えているようだ。
「兄弟愛」
・・・
統失の弟と生活を始めて1年が経過した。
極端な言い方だが、24時間、365日、弟の「妄想」話を聞かされる。
それも10年前に退職した会社の同僚、上司に関する被害妄想の話だ。
昨日も相撲中継を見ながら、向正面の桟敷に9年前に退職した会社の社長がいると言い出す。
私に「そうじゃろう」と念を押してきた。
「どの人か解らん、社長も顔も知らんし」
と答えると。
「知らんわけがないだろう、親父の葬式で会ったじゃないか」と言う。
18年前に父親の葬儀で一度しか会っていない。
顔など思えているはずもないが、妄想が始まった弟からしたら、それが「オカシイ」と言う「疑惑」になるらしい。
「いい加減にして、俺の目の前から消えてくれ!」
と心の中で叫ぶことしかできない。
バスの中の兄さんとは、天と地の差があるとは思うが、...。
これが現実だ。