薬師寺の元管主、高田好胤師の法話集が実家にあった。
好胤師は、平成10年(1998年)6月に遷化されている。
よくTV番組に出演されていた頃のことを思い出した。
関西弁の話は結構面白く、また印象深かった。
この法話は12巻のカセット・テープに納められていた。
お袋もこう言う有りがたい好胤師の法話を聞いて、人生の仕上げを考えていたのだろうかと思う。
そのお袋が、
「聞きたければ聞きなさい、私は聞いたから」
と言うので、早速、聞くことにした。
カセット・テープと一緒に解説本が付いている。
タイトルは「永遠なるものを求めて」。
好胤師が顕した色紙の写真があって、そこには
「永遠なるものを求めて永遠に努力する人を菩薩といふ」
とある。
12巻の法話は、
1巻 仏法はまるいこころの教えです
2巻 ふるさとの仏法者~良寛ぼさつのお話~
3巻 お薬師さまとお釈迦さま
4巻 唯我独尊
5巻 父母恩重経のこころ
6巻 筵の法脈~玄奘三蔵の旅~
7巻 お盆と日本人
8巻 されどこの道を行く
9巻 親の姿、子の心
10巻 物で栄えて心で滅ぶ
11巻 仏教とお香
12巻 月に面影を
毎月の法話を1年間分収録したから12巻なのだね。
好胤師の法話集だけあって、立派な木箱に収納されている。
おもむろに蓋を開くと、12本のカセット・テープが順に並んでいる。
当然、1巻を聞く。
次は、2巻だ。
「?」
カセット・ケースは透明のセロハン紙に包まれたままだ。
お袋は確かに「私は聞いたから」と言ったのに、開封していない巻があるとは・・・。
3巻も未開封だ。
よく見ると、11巻は開封してある。
12巻の法話でお袋が聞いたのは、1巻と11巻の2巻だけか?
その点をお袋に聞くと、
「この歳になると、全部聞かなくても何でも解るの、あんたは全部聞きなさい」と言われた。
この法話は、1巻が1月という順番になっているのだから、順番に聞くことにした。
11巻、「仏教とお香」のカセット・ケースを開く。
「?」
中に入っていたカセットは、「落語」のカセット。
お袋に、法話のカセットはどこ?と聞いたが、本人は「もう忘れた」と。
仕方がないから、11巻は諦めて12巻を聞く。
私は11月生まれなので本当は聞きたかったなぁ・・・。
12分の11では、どうにも割り切れない。
もしかしたらと、座敷に置き去りにされているステレオ・セットのカセット入れに期待。
カセット入れには30本くらいのカセットが乱雑に入っている。
ケースに入っているのも、入っていないもの、ケースだけで中身のないもの、…乱雑に。
限りなく…無いなぁ…と思いながらも、カセット入れを整理することにした。
音楽のテープだらけ…。
汚いいカセットケースに、何と、何と…、
11巻のテープが入っているではないか!
これこそ、仏さまのお導き(そんなはずはないか…)。
早速、11巻、「仏教とお香」を聞く。
12巻全てを聞き終わって、
井上陽水さんの歌、「夢の中へ」の歌詞を思い出した。
私の探し物は、まだ見つかっていない…。