1987年から90年の3年半、海外勤務でマレイシアに赴任した。
マレイシアはイスラム教が国教であり、マレー語が国語の国。
メジャーのマレー系が60%、中国系が30%、インド系他が10%の民族構成。
当然、食事も文化も宗教も各民族ごとに存在し、国としてはそれを尊重しなければならない。
宗教的な意味を持つ祝日もその例に従っていた。
さて、東南アジアの経済発展のお陰で、日本への観光客が増えているそうだ。
TV番組でも観光客取り込みと同時に、イスラム教徒に対する対応がハイライトされていた。
重要なのが、1日5回のお祈りと食事だ。
お祈りには、メッカの方向を指し示す必要がある。
方向磁石のついた旅行用のお祈りグッズでもあるらしい。
一番の問題は食事だ。
食材と道具が非常に厳しい。
「Halal」認証を受けていない場合は、まず駄目となる。
私がマレイシアに駐在していたころは、今ほど厳しく「Halal」とは言っていなかった気がする。
20数年前に比べ、マレシアも国際化が進み、また食生活も豊かになった関係で、「Halal」も厳しく管理されるようになったのかもしれない。
当時でも、マクドアンルドもKFCもあったが、「Halal」表示の記憶がない。
「Halal」は宗教的な戒律だから、異教徒がとやかく言う話ではないが、現代からすると科学的ではないと思う。
確かに、世の中には「ベジタリアン」もいるから、食材に対する戒律はある程度OKかもしれない。
しかし、調理道具や食器まで戒律で縛るのは、どうもいただけないね。
そのうち、「Halal」認証されていない食材を調理する「煙」とか「匂い」とかにまで拡大されたら、どうするんだろうね。
「ラマダン」期間中にイスラム教徒は断食をする。
太陽が昇って、沈むまでの間に飲食が禁止されている。
中には、唾を飲み込むことも駄目とする場合もあるらしい。
1ヶ月も断食とはさぞかし大変な規律で、ラマダン中にイスラム教徒はスリムになると思いきや。
逆に、太ってしまうそうだ。
何故かといえば、太陽が昇る前に「腹いっぱい食い」、太陽が沈んでから夜遅くまで、「たらふく食う」からだそうだ。
大昔と違い経済的に豊かになり、食事も高カロリーとなった現代では、決して健康的な話でないだろう。
イスラム教の戒律はそう簡単に変わらないし、個人的にも変えない。
行政上の警察のほかに、イスラム教徒の場合は宗教警察の目が光っているという事情もある。
アラブ、中東のイスラム圏での紛争も、宗教的な視線で見ると、非常に柔軟な宗教観を持つ日本人にも何かが見えてくるかもしれない。