さて、前回に制作した京成電鉄にリースされていた京浜急行の旧1000形。
当時の北総開発鉄道(現:北総鉄道)にも譲渡されていたんですよね。
しかもなんと!16両も譲渡されていました。
ちょうど前回制作した「京成1000形」の内、「1031+1032」の2両が残っていましたのでユニットを組んでもらいましょう。
しかも、前回の「1031+1032」は正規の屋根板がなかったのでパンタグラフの位置が違うのも気になってました。
そこで、今回入手した北総鉄道(7150形)の屋根板を流用して、さらについでにユニットを組んでもらおうという作戦です。
早速、屋根板を交換して前回制作した「1031+1032」を正規の屋根板にしました。
そして今回制作した北総鉄道の7150形は「7154+7153」に付番してこちらも屋根板(パンタグラフ位置)で合わせました。
いやぁ~同じ時代にこの顔の電車が一緒に走っていたかと思うとなんだか感無量ですね。
せっかくカラードアのデカールがあったのでチマチマと貼らせてもらいました。
まだ、この時期の北総鉄道の路線は印西牧の原まで延伸したばかりだったんですよね。
まさか、数年後に成田空港アクセス線として大飛躍するとは思ってもいませんでした。
京成高砂以東の京成本線では残念ながら見かける事が出来なかった顔ぶれですね。
(まぁ、京成1000形は千葉線を走ってましたけど)
京成電鉄・北総鉄道とリース・譲渡された京浜急行の旧1000形はすべてクーラーが後付けされた分散クーラー車だったんですね。
=北総鉄道の歴史=
・1972年(昭和47年):北総開発鉄道株式会社設立
・1979年(昭和54年):北初富~小室間が開業。
新京成線(現:京成松戸線)経由で松戸駅まで乗り入れ。
・1984年(昭和59年):小室~千葉ニュータウン中央間の住宅・都市整備公団千葉ニュータウン線が開業。
運営を受託。
・1988年(昭和63年):住宅・都市整備公団千葉ニュータウン線の第二種鉄道事業者となる。
同時に全線を「北総・公団線」と改称。
・1991年(平成3年) :京成高砂~新鎌ヶ谷間が北総・公団線として開業。
同時に4社による直通運転を開始。
・1992年(平成4年) :新京成線(現:京成松戸線)の新鎌ヶ谷駅が開業。
同時に連絡線を廃止して新京成線(現:京成松戸線)との直通運転は終了しました。
・1995年(平成7年) :千葉ニュータウン中央~印西牧の原間が開業。
・2000年(平成12年):印西牧の原~印旛日本医大間が開業。印旛車両基地の共用が開始される。
・2004年(平成16年):商号を北総鉄道株式会社へ変更。同時に「北総・公団線」から「北総線」と改称。
・2010年(平成22年):印旛日本医大~成田空港間が開業。北総線全線が成田スカイアクセス線の一部となる。
※太字部分が7150形の活躍期間です。
=北総鉄道(7150形)=
1991年(平成3年)に京浜急行より合計16両が譲渡されています。
デハ1005~デハ1008(4両)とデハ1107~デハ1118(12両)になります。
←羽田空港・西馬込 千葉ニュータウン中央→
・7158+7157+7156+7155(元:デハ1005+デハ1006+デハ1007+デハ1008)
・7154+7153+7152+7151(元:デハ1107+デハ1108+デハ1117+デハ1118)
・7168+7167+7166+7165+7164+7163+7162+7161
(元:デハ1113+デハ1114+デハ1109+デハ1110+デハ1115+デハ1116+デハ1111+デハ1112)
当初の7151~7154と7155~7158の4両編成2本は新鎌ヶ谷~千葉ニュータウン中央間の区間で運用されていました。
1994年(平成6年)7155~7158の4両編成は客室ドアの色が一枚ずつ異なるカラードアが採用されました。
その後、1996年(平成8年)に4+4の8両編成に組成変更して全車にカラードアが施し、都心直通運転として運用されました。
しばらく8両編成2本の体制で7000形・7300形と共に運用されていましたが、7161~7168編成は1995年(平成7年)、7151~7158編成は1998年(平成10年)に廃車され、京成電鉄宗吾車両基地にて解体されてしまいました。
愛好家の方々がクラウドファンディングまで行ったようですが、残念ながら成立しなかったようです。
なお、実車が運行期間中の定期検査は京急の久里浜工場で施工されていました。
=北総鉄道(7150形)該当の京急(1000形)諸元=
・デハ1005~デハ1008(製造所:川崎車輛)
製造年:1959年(昭和34年)~1960年(昭和35年)に製造された京急1000形が該当します。
48両(4両編成×12本)1000形の試作車と同様に前面が非貫通・2枚窓として製造されました。
編成:4両編成
・デハ1107~デハ1115(製造所:川崎車輛)
・デハ1116~デハ1118(製造所:東急車輛製造)
製造年:1961年(昭和36年)~1962年(昭和37年)に製造された京急1000形が該当します。
60両(2両編成×5本、4両編成×5本、6両編成×5本)前面貫通扉として製造されました。
北総鉄道運行期間:7151~7158は7年間。「1991年(平成3年)~1998年(平成10年)」
7161~7168は4年間。「1991年(平成3年)~1995年(平成7年)」
軌間:1,435mm(標準軌)
電気方式:直流1,500V(架空電車線方式)
最高運転速度:110km/h
設計最高速度:120km/h
起動加速度:3.5km/h/s
減速度(常用):4.0km/h/s
減速度(非常):4.5km/h/s
全長:18,000mm
全幅:2,798mm
全高:4,050mm
車体:普通鋼
台車:1005~1008、1107~1114:OK-18系(川崎車輛製)
1115~1118:TS-310系(東急車輛製造製)
主電動機:補償巻線付き直巻電動機(75kw)
1005~1008、1107~1114:TDK-810/6H(東洋電機製造)
1115~1118:MB-3058A(三菱電機)
駆動方式及び歯車比
1005~1008、1107~1114:中空軸撓み板式軸型継手(5.5)
1115~1118:撓み歯車型軸継手(4.63)
制御方式:抵抗制御
制御装置:電動カム軸式直並列複式(直列10段、並列6段、弱め界磁5段)弱め界磁率25%
1005~1008、1107~1114:ACDF-H875-566B(東洋電機製造)
1115~1118:ABF-108-15-MDHB(三菱電機)
制動装置:発電ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(応荷重装置付き)
補助電源装置:DC7.0KW(TDK-315:東洋電機製造)またはAC3.0KVA、DC3.5Kw(MG-54D-S:三菱電機)
空気圧縮機:レシプロ式(A-2)
冷房装置:集約分散式(9.8kw 8,500kcal/h)(RPU-2209系:東芝)※登場時は非冷房でした。
保安装置:1号型ATS、C-ATS
=まとめ=
こうして見て見ると、リースに譲渡された京浜急行(旧1000形)は財政難の最中での冷房化推進の為に京成電鉄(1000形)して、
また、路線延伸に伴う都心直通運転を補充する車両用として、北総鉄道(7150形)で活躍したんですね。
それぞれ目的こそ違いますが、この京浜急行(旧1000形)が大きく貢献したことは間違いないですね。
残念ながらどちらも短命な繋ぎ車両としての活躍できたが、それぞれ大きな足跡を残してくれました。
最近では成田空港から押上方面への新型スカイライナーの計画も発表されています。
さらに一部情報筋の話では関西の阪急・阪神ホールディングスのような京急・京成ホールディングスのウワサさえあるようです。
これからも羽田空港と成田空港の2大空港を結ぶ鉄道会社としてJR以上に期待していいのではないでしょうか?
益々、これからの両社の車両の動向からも目が離せなくなってきましたね。






























