中国
中国の今月の製造業の景況感を示す指数は、国内の需要が伸び悩んでいることなどから景気判断の節目となる「50」を2か月連続で下回って、去年12月以来の低い水準となり経済の回復のペースが鈍る形となっています。
中国国家統計局が製造業3200社を対象に調査した今月の製造業PMI=購買担当者景況感指数は、先月から0.4ポイント低下し48.8でした。
新型コロナウイルスの感染拡大で経済が停滞していた去年12月以来の低い水準で、景気のよしあしを判断する節目となる「50」を2か月連続で下回りました。
国内の需要が伸び悩み、企業の生産活動が停滞していることや、海外経済の減速を受けて輸出向けの受注が減少したことなどが主な要因です。
企業の規模別の指数でみますと、大企業が50だったのに対して、中規模の企業が47.6、小規模の企業が47.9といずれも50を大きく下回り、特に中小企業の間で景況感が悪化しています。
一方、飲食や運輸などの非製造業の今月の景況感指数は54.5と、先月から1.9ポイント低下したものの5か月連続で節目の「50」を上回りました。
中国経済は、厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策の終了後、サービス業を中心に回復に転じたものの、人々の間の雇用への不安や節約志向が根強いことなどから、回復のペースが鈍く、先行きの不透明感が強まっています。