ネット上でやり取りされるいわゆる仮想通貨=「暗号資産」の取引に出資すれば「4か月後に2.5倍にする」などとうその投資話を持ちかけて現金をだまし取ったとして、投資事業の運営者らが愛知県警察本部に逮捕されました。全国の1万人以上から少なくとも60億円を集めていたということで、警察が捜査しています。

逮捕されたのは、投資事業「OZプロジェクト」を運営していた会社役員、石田祥司容疑者(59)ら4人です。

警察によりますと、4年前の平成29年8月、「暗号資産の取引に出資すれば4か月後に2.5倍にする」とか「初期に投資した人はすでにもとを取っている」などとうその投資話を持ちかけ、名古屋市に住む50代の男女から現金合わせて210万円余りをだまし取ったとして、詐欺の疑いが持たれています。

全国各地でセミナーを開き、参加者に対しては「AIを導入した自動トレードシステムで運用し、4か月後にはビットコインや、独自のポイント『OZポイント』で支払う」などと説明していたということですが、AIを導入したシステムなどは実在していなかったということです。

これまでの調べで、口コミや知人を介するなどして全国の1万人以上から少なくとも60億円を集めていたということで、警察が捜査を進めています。

警察は4人の認否を明らかにしていません。

出資した男性「計画的な詐欺か」

投資事業「OZプロジェクト」に出資した愛知県内の50代の男性がNHKの取材に応じました。

男性は4年前の8月、当時、妻が通っていたパソコン教室の講師から「OZプロジェクト」を紹介され、セミナーに参加しました。

セミナーでは「何もしなくても出資金が4か月で2.5倍になる」とか、「100%返します」などと元本保証とも受け取れる説明を受けたということです。

男性は説明を信じ込み、妻の退職金から合わせて210万円余りを出資しました。

しかし約束の金は支払われず、2か月後には返金手続きの受付が始まりましたが、戻ってきたのは出資額の1割にも満たない12万円余りでした。

男性は「途中で返金ということも出てきて、計画的な詐欺なのかなと考えてしまいます。腹立たしいです」と怒りをあらわにしていました。