明治時代のハンセン病患者の名前や住所などが掲載されたとみられる資料がインターネットのオークションサイトに出品されていたことがわかり、厚生労働省は今も差別や偏見に苦しむ人がいる中、あってはならないことだとしています。

厚生労働省によりますと、今月13日から18日にかけてインターネットのオークションサイト「ヤフオク!」にハンセン病患者の情報をまとめたとみられる資料が出品されていたということです。

資料は長野県の大町警察署が明治32年に作成したものとみられ、患者の名前や住所、生年月日、病状など中身の一部が閲覧できる画像が掲載されていたということです。

入札はないままオークションは終了し、出品はすでに削除されたということです。

ハンセン病をめぐっては、感染力が極めて弱いことが判明したあとも法律に基づいて患者を強制的に隔離する政策が平成8年まで続けられ、今も差別や偏見に苦しむ人たちがいます。

田村厚生労働大臣は24日の記者会見で、「こういうものがオークションに出て閲覧可能であったというのはあってはならないことだ。人権侵害や差別が行われないように徹底していただきたいし、われわれも徹底していきたい」と述べました。

厚生労働省は、資料が出品された経緯について長野県などとともに確認を進めるとしています。