ニューハンプシャー州はサンダース氏が勝利確実 民主党予備選 | 親父と息子の口喧嘩

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ニューハンプシャー州はサンダース氏が勝利確実 民主党予備選

アメリカ大統領選挙に向けた、野党・民主党の候補者選びは2戦目となる東部ニューハンプシャー州の予備選挙で、サンダース氏が勝利を確実にしました。民主党左派の代表格として流れを引き寄せる一方、初戦で躍進した中道派のブティジェッジ氏が今回も首位に迫る勢いを見せ、存在感を高めました。

11月のアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党の候補者選びは、11日、2戦目となる東部ニューハンプシャー州の予備選挙が行われました。

AP通信によりますと、集計率87%で、
▽サンダース上院議員が25.7%、
▽ブティジェッジ前サウスベンド市長が24.4%、
▽クロブシャー上院議員が19.8%、
▽ウォーレン上院議員が9.3%、
▽バイデン前副大統領が8.4%となっていて、AP通信をはじめ、アメリカの主要メディアはサンダース氏が勝利を確実にしたと伝えました。

サンダース氏は11日夜、支持者を前に演説し、「偉大な勝利に感謝している。この勝利はトランプ大統領の終わりの始まりだ」と述べて、勝利を宣言しました。

サンダース氏は民主党左派の代表格として、国民皆保険や公立大学の無償化などを掲げ、格差に苦しむ若者らを中心に支持を集めていて、今回、その根強さを示しました。

また、サンダース氏は全米でも支持率を伸ばし、世論調査の平均トップに立っていて、今回の勝利で流れを引き寄せました。

首位に迫る2位につけたブティジェッジ氏は、初戦のアイオワ州での予想を超える躍進に続き、今回も勢いを見せ、中道派の有力候補としての存在感を高めました。

ブティジェッジ氏は11日夜、「この勢いを次のネバダ、サウスカロライナに持って行く。さらに新しい支持者を集めていく」と述べて、勢いを次の戦いにつなげると決意を示しました。

また、中道派のクロブシャー氏も急速に支持を伸ばして3位と善戦した一方、左派のウォーレン氏と中道派のバイデン氏の2人の有力候補は今回も伸び悩み序盤で正念場に立たされていて、左派、中道派それぞれで候補者の明暗がわかれる結果となりました。

各候補の代議員獲得数の見通し

民主党の大統領候補を決めるのは、各州や自治領などに人口に応じて割りふられた3979人の代議員による投票です。

そして代議員がどの候補者に投票するかは、州や自治領ごとに行われる予備選挙や党員集会で事前に決められます。

各候補者には予備選挙の得票数などに応じて、それぞれ代議員が配分され、過半数の代議員を獲得した候補者が、夏に開かれる党の全国大会で正式に大統領候補に指名される仕組みです。このため、候補者選びのプロセスは実質的に代議員の取り合いとなります。

11日に予備選挙が行われたニューハンプシャー州に割りふられている代議員は24人です。

集計作業はまだ終わっていませんが、AP通信はこれまでの集計結果から、左派のサンダース氏が9人、僅かな差で2位につけている中道派のブティジェッジ氏も同じく9人、中道派のクロブシャー氏が6人を獲得し、左派のウォーレン氏と中道派のバイデン氏は今回、代議員を獲得することができない見通しだと伝えています。

また、今月3日に行われたアイオワ州の党員集会では、集計トラブルから最終的な結果の確定が遅れていますが、アイオワ州の民主党は各候補者が獲得する代議員の数の見通しを発表しています。

それによりますと、41人の代議員のうちブティジェッジ氏が14人、サンダース氏が12人、ウォーレン氏が8人、バイデン氏が6人、クロブシャー氏が1人を獲得するということです。

2つの州を合わせると現在、
▽ブティジェッジ氏が23人、
▽サンダース氏が21人、
▽ウォーレン氏が8人、
▽クロブシャー氏が7人、
▽バイデン氏が6人の代議員を獲得する見通しとなっています。

初戦ということで大きな注目を集めたのとは裏腹に、この2州の代議員の数は全体の僅か1.6%です。

来月3日には全米14の州や自治領などで党員集会や予備選挙が行われるスーパーチューズデーが控えていて、この日一日で全体の34%にあたる1357人の代議員の配分が決まるため、指名獲得争いの行方を左右する大きなヤマ場となります。

米主要メディアの評価は

アメリカの主要メディアは、ニューハンプシャー州の予備選挙の結果をトップで伝えています。

このうちニューヨーク・タイムズは、勝利を確実にしたサンダース氏が去年10月、心臓発作を起こして一時、低迷したことに言及し、「立候補が危ぶまれてからわずか4か月でトップランナーとしての地位を確立した」と伝えました。さらに同じ左派の有力候補、ウォーレン氏が伸び悩んでいることを受けて、「ウォーレン氏のつまずきでサンダース氏が左派の有権者をさらに団結させるかもしれない」として、今後の展開によって左派の本命としての地位を確立させる可能性があるという見方を示しました。

一方、ワシントン・ポストは、サンダース氏の勝利は「若い世代の有権者やリベラルな人たちに支えられた」としたうえで、民主社会主義者を自称するサンダース氏が強さを見せれば見せるほど、これを警戒する民主党の支持層の反発を受ける可能性があると分析しています。

また、ウォール・ストリート・ジャーナルは、ブティジェッジ氏の躍進ぶりに注目し、「サンダース氏はかろうじて勝利した」と評価しました。しかし、ブティジェッジ氏が黒人層などのマイノリティー層の支持を得ていないことから、「これからは全国的な支持の広がりやマイノリティーによる支持が必要となり、厳しい戦いになるだろう」と予測しています。

専門家の見方は

東部ニューハンプシャー州で行われた民主党の予備選挙でサンダース氏が勝利を確実にしたことについて、アメリカの大統領選挙を研究してきたオハイオ州のヤングスタウン州立大学のポール・スラシック教授は「サンダース氏には強固で熱狂的な支持者がいて、彼らの支持は揺るぎない」と評価する一方、「今後、支持を広げていけるかは疑問だ」と指摘しました。

また、僅かな差で2位につけたブティジェッジ氏や今回、台頭したクロブシャー氏については「多くの人はブティジェッジ氏がこれほど躍進することは予期していなかった。クロブシャー氏についても上位に食い込んだことは予想外で、新星のように現れた彼女が大きな話題となり、今後さらに支持を集めるかもしれない」と述べました。

一方、有力候補のバイデン氏が苦戦を強いられている状況について、「予備選挙は続いていて、勢いを盛り返すチャンスはまだある。今後、予備選挙が行われるサウスカロライナ州にはバイデン氏を支持する黒人層が多い。この層の支持を得ずに大統領候補に選ばれることは難しいことから、黒人層がバイデン氏を支持するのか、それとも他の候補者に支持が移っていくのか注視する必要がある」と述べ、今後の結果次第で、選挙情勢は大きく変わるとの見方を示しました。