フランスのマクロン大統領がロシアのプーチン大統領と会談し、アメリカとイランの対立で存続が危ぶまれているイラン核合意を維持するため、一致した対応を取るよう要請しました。
マクロン大統領は19日、フランス南部の保養地にプーチン大統領を招き、会談しました。
会談前の記者会見でマクロン大統領は「フランスとロシアの両国は、イランの情勢が緩和することが重要だと考えている」と述べたうえで、イランに対して核合意の維持を働きかけるなど、一致した対応を取るようプーチン大統領に求めました。
核合意をめぐって、イランはアメリカの圧力に反発してウラン濃縮活動のさらなる強化にも踏み切る構えで、合意そのものの存続が危ぶまれています。
ロシアは、アメリカの核合意からの離脱を非難する一方、イランに対しても核合意の維持を求める立場で、マクロン大統領の要請に応じたものとみられます。
また、ロシアは5年前、ウクライナのクリミアを併合して以来、かつての主要国首脳会議の枠組みであるG8から排除されていますが、プーチン大統領は「G8の枠組みで働く可能性を拒否したことは一度もない」と、復帰に前向きな姿勢を示しました。
これに対しマクロン大統領は「G8への復帰とEU=ヨーロッパ連合との関係の正常化はウクライナ問題の解決が前提だ」と、くぎを刺しました。