大阪市の地下に多くの空洞、“大動脈”御堂筋に集中!? | 親父と息子の口喧嘩

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ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

YAHOO ニュ-ス(MBSニュース) 3/15(金) 17:00配信

 

大都市に開いた“穴”といえば、2016年に起きた福岡の博多駅前の陥没事故が記憶に新しいところですが、大阪市内でも地下に“空洞”があり、毎年60か所ほどが発見されているということです。地下の状況は、いったいどうなっているのでしょうか?

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年平均60か所の空洞を発見

 

大阪市の職員が示した地図。市内の主要な道路などに空洞を示す丸印が数多く記されています。いったい、どれだけ見つかっているのでしょうか?

 

 「年度ごとにばらつきはありますが、年間で平均60か所の空洞が発見されています。2011年度から2018年度までの8年間で440か所程度」(大阪市建設局道路課 初鹿将司係長)

 

 東淀川区の幹線道路では、アスファルトをめくると、縦1.4メートル×横1.2メートル×深さ約1メートルの空洞ができていました。この現象は、大阪に限ったことではありません。

 

東京の都心、千代田区の路上で見つかったぽっかりとあいた穴は、縦1.6メートル×横1.2メートル×深さは1メートルありました。調査会社によりますと、東京23区内ではざっと1万個の空洞が道路の下にあるのだといいます。この空洞を見つけ出すのが、『スケルカ―』と名付けられた車両です。マイクロ波を地中に照射し、走行したまま空洞を見つけ出すことができます。大阪市も、このスケルカ―で毎年30キロの区間を調査しているといいます。

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地震で陥没の危険も

 

なぜ、空洞は発生するのか?地中の土砂の動きを研究する東京大学の桑野玲子教授は、水道管の老朽化や地下鉄などのインフラの影響があると分析します。

 

 「地下鉄とか地下構造物の横の埋め戻し土は、何もないところに比べると空洞ができやすいという傾向が確認されています。地下の大きな構造物があった時には、水がその周りを走ってしまって空洞ができやすくなってしまったりする」(東京大学・都市基盤安全工学国際研究センター 桑野玲子教授)

 

 去年9月に発生した北海道の胆振東部地震では、札幌市内の地下鉄の上を走る道路が4キロにわたって大きく陥没し、通行できなくなりました。

 

 「札幌でも仙台でも、東日本大震災の時に地下鉄わき(の土砂)が連続して落ちた。地下鉄のわきの部分は沈下しやすかったり空洞ができやすい性質を持っていますから、地震が起きるとその部分が大きく損傷して沈下しやすい」(桑野玲子教授)

 

空洞が多い場所の特徴は?

 

地下鉄が網の目のように発達している大阪。空洞はどのような部分に発生しているのでしょうか?大阪市が作成した地図を見ると、空洞は御堂筋に数多くみられるほか、千日前通りと堺筋が交わる周辺にも集中しています。

 

 「御堂筋は2017年度に調査していて、4キロほどの空間で24か所程度の空洞を発見しています。集中している状況も部分的に見られるかなと」(大阪市建設局道路課 初鹿将司係長)

 

 御堂筋では、大きなもので地表から20センチのところに縦1メートル×横80センチ×深さ約50センチの空洞ができていたといいます。大都市(東京都・政令市)における地下空洞の発生頻度は平均で1キロあたり2.06個ですが、御堂筋は1キロ当たり6個と明らかに多くなっています。空洞が集中していた千日前通りと堺筋の周辺は地下鉄がクロスしているほか、阪神高速の高架橋など構造物が多い場所です。

 

 「千日前通りは重要な幹線道路で古くからインフラ整備が行われたり、地下鉄とか大規模な埋蔵物・構造物もあるので、そういった状況が複合的に絡み合っている」(初鹿将司係長)

 

 大都市の地下にできる数多くの空洞。地震などの際には、空洞が原因で大規模な陥没につながる恐れもあります。