「平成」飛んだ翼退役=威信懸けた「時間厳守」-政府専用機、初任務から26年 | 親父と息子の口喧嘩

親父と息子の口喧嘩

ある親父とある息子が、社会の色々な事柄について論じます。
こんなことを考えている親子もいるのかと、ぜひぜひ少し覗いてくださいな。

YAHOOニュ-ス(時事通信) 3/16(土) 13:02配信

 

 

「空飛ぶ官邸」とも呼ばれる政府専用機が3月、平成の終わりと共に退役を迎える。

 

  1993(平成5)年から任務を開始し、首相や皇族を乗せて世界中を飛んだ。時に歴史的な瞬間を迎える舞台へと要人を運ぶ重責を担ったのは、パイロットから客室乗務員、整備員まで、すべて航空自衛隊員だ。常に心掛けたのは安全な航行に加え、日本が世界に誇る「正確さ」だった。

 

 

 明瀬時定3等空佐(44)は、着陸などの時間を管理するナビゲーターを務めた。民間の旅客機にはいない役割で、「分単位で動く総理の予定は変えられない」と重要性を語る。早く到着しそうな場合は、高度を変えてわざと向かい風を受けることもあるという。

 

  パイロットは民間旅客機では決して行わない連続離着陸(タッチアンドゴー)の訓練もする。発着時の振動を軽減させる技量を磨くためで、高い技術は海外からも評価されている。パイロットを務めていた滝島真之3佐(40)は「『なぜ、日本の政府専用機はあれほどきれいに着陸できるのか』と聞かれた」と胸を張る。

 

  客室乗務員に当たるロードマスターを9年間務めた女性空曹長は「民間と違い、スタッフは常に同じメンバーなので、あうんの呼吸が通じる」と話す。「乗客」の状況を観察し、あえて何もサービスをしないことがあるという。「VIPにとって休める時間は移動だけのこともある」と語る。

 

  政府専用機は2機あり、1機は不測の事態に備え予備機として同行する。2002、04年の小泉純一郎首相(当時)の訪朝時にも使用。拉致被害者家族5人は予備機で帰国した。

 

  要人以外が乗ることもある。16年にバングラデシュの首都ダッカで発生したテロ事件では、犠牲になった7人の邦人の遺体を帰国させた。同乗した山下健3佐(44)は「個人的な感情を出さないよう、冷静になるように努めた」と振り返った。

 

  退役する初代の後任として、ボーイング社の777-300ER型機をベースとする2代目の政府専用機が4月から運用を開始。引き続き空自が管理・運航を担当する。