兎にも角にも、夢見心地な二日間だった。

玄関を開けたら、それは爽やかで麗しい方が立っていた。「ああ困った」と思った。そう、何も困ることはなく、単に緊張するというだけの話である。 


冷蔵庫搬入業者の方々が、テキパキと作業をされてる中、1人浮き立つ私。相手はプロで仕事真っ只中、何を期待しているのかとツッコミを入れなければ、平静が保てない。

んー、かなり年上な気がする。んー、背はさほど。

チェックを入れる、毎度の悪い癖。それでも今回ばかりは、減点に減点を重ねてゼロになってしまえ、マイナスになってしまえと願うほど、躍起になっている。ボリュームのある黒髪、別れた前髪からは色白の肌が見え、もう少し視線を下に落とすと綺麗な瞳がメガネ越しに合う…気まずい。目は少し離れて釣っているのに、大きくて丸みを帯びた印象のせいか、優しさを醸し出している。落ち着きある声色で加速してしまう。気ずけば、減点だのマイナスだの言っている余裕はなく、みるみるうちに、惚れ落ちてしまった。


爽やかな柔軟剤をまとったその空間はまだ残っている。湧き上がる熱っぽさを抑えつつも、やっぱり興奮は隠しきれない。温かいお茶でも渡せば良かったかな。格好の良い姿を、少しでも見せんとばかりの甲斐は、仕方ないほどに脆く崩れ終始ドギマギ。対するその方は、至極当然、the仕事用。期待する方が専らの阿呆とは重々承知している。


あの、飴ー、、食べますか!(^^;)

全てを終えて玄関越しで、引き留めた。

小さなラムネドロップ二つ、手に乗せた…、、、

前髪にホコリついてますよ。

……なんと前髪のホコリとな。うそーーーん。

格好の悪い姿は一丁前につけられるのに、とほほほと思いながら見送った。遠のくトラックを見つめながら、だんだんと薄く淡く、記憶の片隅にも残らない残像となって消えてしまう未来を思い描いた。なんだか寂しかった。そんな自分がいることにも驚いた。


なんだろうまだまだ綴りたい。終わらないで、消えて行ってしまわないでほしい。けれども、その様なことを心から願ってしまったら、この様な今は無くなってしまう。それも嫌だ。どちらも追うのは良くないと昔からよく聞くお話。


ああ、舐め終わってしまうよ、あげたラムネの飴ちゃんが…時間切れだ。爽やかな口当たりと思っていたラムネは、少し苦いような引きの悪い溶け様で無くなった。