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私がまだ若かった頃、日中戦争の徴兵によって当時の満州に出征させられた何名かの方々のお話しを伺ったことがあります。

皆さん口を揃えて仰っていたのは「何はともかく寒くて寒くて参ったよ!」というものでした。

やっぱりあれだけの広大な大陸ですから冬の冷え込みは日本では想像できないほどのもののようです。

 

 

 

そんな中国ですが、中国全土の約半分の地域というかなり広い範囲で停電が起こっています。

それも一過性のものではなく、かなり電力供給がひっ迫しているようです。

これから本格的な冬を迎えるのですから、暖房に電気が必要な人にとって停電が頻発するのは耐えられま

せん。

 

 

 

中国でなぜ停電が起きているのかというと、中国政府がオーストラリアに対して厳しい輸入規制を科したため、中国国内で火力発電用の石炭が不足し電力の供給が減少していることが最大の原因のようです。

中国でも石炭は豊富にありますが、火力発電に適した石炭は日本同様オーストラリアから輸出する必要があるようです。

 

オーストラリア紙「ザ・オーストラリアン」によると、

オーストラリアは中国の発電用石炭の57%、鉄鋼精錬用コークスの40%を提供

しているとのことです。

ここまで提供を頼っている相手国に対して、厳しい対応を取るということは「自分で自分の首を絞める」自殺行為に近いものだと思います。

 

オーストラリアは海外からの移民をかなり低いハードルで受け入れていました。

その結果、中国からの移民が急増したのですが、移民が急増するだけならまだしも、中国政府は密かにオーストラリア政界や財界、大学に食い込んで、実質的な乗っ取りを図りました

今、アメリカ大統領選挙の裏で起こっていることと似たようなことですね。

 

 

2015年にオーストラリア首相の座に就いたターンブル首相は、息子の嫁の父親が中国共産党高級幹部という親中派でしたが、2018年に国民の支持が得られず、スコット・モリソンに首相が交代すると中国への対応が厳しくなっていきます。

 

決定的だったのは、オーストラリア政府が中国武漢で発生したコロナウィルスの現地調査を要求したことです。

 

 

自国で科学的な調査をされたくない中国政府は、気に入らない国にはすぐに報復措置で苛め抜くというお得意の手を使ってきます。

 

 

しかし、韓国とは違ってオーストラリアは中国政府に簡単に泣きを入れません。

韓国は歴史上長期間に渡って中国王朝の属国でしたから、中国政府からちょっと苛められると「習近平様、何とか許してください!」と泣きつきますが、オーストラリア政府も経済的にはつらい面もあるのでしょうが、結構突っ張ってます。

 

 

 

しかし、愚かなのは中国政府です。

 

アフリカ豚コレラの蔓延で家畜の豚が大量に破棄せざるを得なくなり豚肉の価格は急上昇しました。

今年の長江流域の大洪水、その他の地域での干ばつやイナゴの害で農作物も大きな被害を受けて米や小麦の価格も上昇しています。

 

オーストラリアは世界有数の農産物の輸出国であるのに自国の主張を曲げられないために、食料品を輸入することもせずにいます。

挙句の果てには、石炭も不足して停電騒ぎです。

これでは中国人民も堪ったものではありません。

 

中国はよく軍事大国と言われますが、実は外国と戦争するための軍事予算以上に、国内で人民を統制管理する公安の予算の方が多いそうです。

 

人民の統制管理にいくらお金を使っても、あれだけ広い国土の中に14億人という人がいるのです。

この人たちが怒りで立ち上がることを中国共産党は心から恐れているのではないでしょうか?