「伝道の書」 | mimiの独り言

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何度も書きましたが戦後子供向きの本が少ない時代、仕方なく読んだ大人向きの本、その中に蘆花全集がありました。蘆花って誰?と言われそうですが。書いた時代は漱石と大体同じなのですが、漱石ほど込み入った心理描写がなく読みやすいと思いました。「思い出の記」「日本から日本へ」(紀行文)、「みみずのたはごと」などを読みました。

「思い出の記」は子供の頃父親に死なれた少年が、養子にならないかと勧める裕福な伯父の誘いを断って苦労しながら独り立ちしていく話でした。この少年が頭のいい友人の失恋の悩みを聞きながら「知恵多ければ悩み多し、知識を増すものは憂いを増す」という言葉を思い浮かべる場面があり、言葉の意味も興味深いし、声に出しても言いやすくて、記憶に残りました。

50を過ぎて旧約聖書の中の「伝道の書」を読んでいた時、「知恵が多ければ悩みが多く、知識を増すものは憂いを増す」と言う言葉に出会い、あ!「思い出の記」のあの言葉は聖書の言葉だったのだと、すごくうれしい気持ちになりました。

「伝道の書」には他にも深く共鳴する言葉がありました。
「わたしはこのむなしい人生において、もろもろの事を見た。そこには義人がその義によって滅びることがあり、悪人がその悪によって長生きすることがある。あなたは義に過ぎてはならない。また賢きにすぎてはならない。あなたはどうして自分を滅ぼしてよかろうか。」

「順境の日には楽しめ。逆境の日には考えよ。」

伝道の書に出てくるこれらの言葉は正しいことをしていれば必ず良い報いがあると言う様な言葉より私にとって納得できる言葉です。伝道の書はわからない言葉も沢山出てくるし、自分は宗教や信仰をどう考えているのか突き詰めて考えているわけではないのですが、心の隅でいつも気になる書物です。