こんにちは。
ラヴェルの映画を観て参りました。
”ボレロ 永遠の旋律”
ハリウッド映画とは全く違い、
派手さやユーモアを抑え、
ラヴェルの内面を、
外側から遠慮がちに掘り出したような、
色を形容するなら”漆黒”で、
行間を読み取る感性を伴って鑑賞すると
興味深いであろう、
そして愛する人との
さりげなく粋な会話が、
わたくし好みの
フランス映画でした。
親子連れなど、
万人受けする映画だとは思いませんが、
ご年配の方々を中心に、
かなりお客さんが入っていました。
クラシックコンサートと同じ観客層のように
見えました。
ラヴェルの曲だけでなく、
ショパンの曲が使われていた
場面がありました。
場面の切り替えに合わせて、
ショパンのピアノ曲が複数曲、
非常に効果的に切り替わっており、
(ノクターン13番、ワルツ10番、19番、
マズルカ17-4などすべて短調の曲)
BGMとしての曲の使い方が
大変勉強になりました。
爽やかだとか、
心が明るくなるとか、
幸せを感じるというような、
所謂ポジティブな
鑑賞後感はございませんが、
人生は苦悩に満ちていて、
その中で必死に生きようともがく姿は、
いつの時代も、
誰でも、
変わりなく、
一生物個体として、
また、社会の中の一人間として、
欲張らず地道に精一杯生きて行こう、
これが生かされているものの役目、
という
人生の基本的なことを
改めて確認しました。
帰宅して、
わたくしのお気に入りの本の1冊から、
(読み易い本ではないので、
人にはあまりお勧めしませんが。)
ラヴェルの章を改めて読んでみました。
ラヴェルの苦悩の原因となる
症状や疾患について、
映画よりも
遥かに詳しく書かれております。
精神的な不調に随分と苦しみ、
亡くなった直接の原因は
大変気の毒なものです。
ラヴェルの人生のことを
もっと知りたいと思わせる、
余韻の残る映画でした。
わたくし個人的には、
またじっくり見たいと思える映画です。
クラシック音楽、ラヴェル、短調の曲、
フランス映画がお好きな方へ、
是非。
素敵な皆様、
良き日となりますよう。