『平安南道要覧』(朝鮮研究-205) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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昭和11年版。牛の飼育状況が判る。農家の半数が牛を飼っている。大正14年からの10年間の増加が記載されている。牛の飼育は順調に発展している。農家にとって主要な収入源だったのだ。

ソ連軍が平壌を占拠すると牛を本国へ輸送したという事実が明白に判る。済州島における西北青年団の存在が、ソ連軍によって牛を取り上げられた農家の怒りの集団だということを示唆する資料である。

金石範に金時鐘は済州島における西北青年団の物凄いアカ狩りを怒りを持って描いているが、彼らアカ狩りへのエネルギーがソ連軍による牛の略奪だったという視点を欠いている。

数字から見える世界で、色々な人の北朝鮮論へ異論を抱いている。