渡辺周『消えた核科学者』(推薦図書-95) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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ウリナラの弁明・弁解は岩波書店がしてくれる。

岩波書店が『世界』誌を創刊して以来、北朝鮮には暖かい目を注いできている。一中・一高東大と新井裕国警長官と共に学んだ塙作楽さんは、金達壽とは義兄弟の契りを結んでいた。不可思議な関係であった。塙作楽さんは伊藤律とも親しく、六全協までの岩波書店は伊藤律の影響が強かったと警察庁の刊行した「極秘」文献に出ていた。

最近では『世界』誌は蓮池薫の手記を連載している。工作員から『世界』誌1月号の蓮池の回想録は読むべきだと教示された。その『世界』誌を刊行する岩波書店が『消えた核科学者』を2023年11月に刊行している。副題が「北朝鮮の核開発と拉致」である。つまり、70年代に頻発した北朝鮮の拉致行為を連想させる、蓮池薫氏が拉致された事件との関連を連想させる副題である。更に帯に、「1972年、茨城県東海村から失踪した一人の男。男は原子力開発の拠点、動燃のプルトニウム製造係長だった。捜査に訪れた刑事は”北に持っていかれたな”と言ったー。」

北朝鮮が核開発の意欲を鮮明にするのは1986年2月である。それ以前の事件、70年代の拉致事件とは?

救う会では解明は無理だろう。出来るのは工作員だけであろうか。