『東北アジア学術交流訪中団報告書』(NK会の人々-45) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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NK会を構成していた主要な人物が95年に満洲東部に、いわゆる北間島旅行の記録である。南牛なら、間島学術交流・満洲訪問報告書」としたい処である。国際共産主義運動に和したレポートに題名から感じられていた。

だが、95年から30年経過して、いまならこういう旅行は出来ないだろうと感じている。貴重な旅行記である。ほぼ同じ場所を10年経過してから旅行しているが、厳しい冬を予感させる旅となった。今はこういう野放図な旅行はさせない。だが、南牛が同じ場所をみているが、観察した風景がかなり異なっている。それは南牛のこの地域へ旅行が、在日の地誌研究者・司空俊のこの地域調査を追うモノであった。だが、この旅行団の人々は誰一人司空俊を知らない。それは司空俊のレポートに目を通していない、とその記録から読み取れたからだった。

それにしても巻頭の玉城素師の漢詩に感動した。玉城素師は本物の文化人だと理解できたからだ。特に「詠鏡泊湖」は、その成立過程と電気化学の関わりを玉城素師に伺っていたから、理解できる世界があった。毛沢東軍の蒋介石軍への勝利は吉林から電気化学を押さえた事が大きいと感じていたからだ。

詩の中に、玉城素師は、「山稜線画毛沢東」と一行入れている。

報告書にはアナスタシアの顔も入っている集合写真が掲載されている。タチアナ・ヤンコフスキー酷似である。