米国型と英国型(つくば市政展望-355) | 安部南牛 | 朝鮮文化資料室

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田園都市を茨城県内に建設する、という施政を二人の県知事が試みた。岩上二郎と竹内藤男である。岩上二郎県知事は4期務め、自主的に辞任した。竹内藤男県知事は5期目に贈収賄容疑で逮捕され辞任させられた。二人の知事は全国的に遅れていた県勢を圏内に田園都市を建設するという壮大な夢に賭けた。二人の知事の努力は茨城県勢を上向かせたと言える。

二人に共通するのは、水戸高校に学んだということと陸軍主計中尉であったことだ。だが、二人の知事が建設しようとした田園都市は岩上二郎知事が米国型、竹内藤男知事は英国型であった。米国型とは少なくともその都市に「自主性」がある、大都市とは無関係に地域の産業を育てて行く町である。岩上二郎の田園都市構想は、鹿島に谷田部町に片鱗が見られる。見果てぬ夢と化している県三島開発である。茨城県の三島とは鹿島、出島、猿島を指す。

研究学園都市構想を岩上二郎知事は受け手として、その消化に追われる過程で辞任している。

竹内藤男は建設省都市局長として研究学園都市を茨城県下に立地させる働きをする。その研究学園都市の建設構想は英国型田園都市の導入であった。英国型とは大都市の再開発を補助する衛星都市の建設であった。

ロンドンの衛星都市こそ、竹内藤男県知事の目指す田園都市なのだ。

谷田部町三派の成立は二人の知事の田園都市構想の違いが反映したモノであった。